公明党神奈川県議団

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かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」について

西村 くにこ議員(川崎市川崎区)

西村議員質問

 多くの性犯罪の被害者が警察への届出を躊躇する一方、証拠は、時間の経過とともに消失し、被害の証明が難しくなる。
 「かならいん」の医療支援の際、証拠を採取し、保管しておく仕組みの構築には、担っていただける医療機関の存在が不可欠だ。また、被害者の心理に配慮しながら専門的な手続きを担えるSANE、すなわち性暴力被害者支援看護職が重要だ。コロナ禍で調整や検討の難しさは理解するが、人とのつながりが希薄となる今だからこそ、検討を前に進める必要があると考える。

 そこで、かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」における証拠採取等を進めるべきと考えるが、現在、どのような検討を行っているのか、また、実施に向けてどのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

知事答弁

  次に、かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」についてお尋ねがありました。
 性犯罪等にあった直後、被害者は、心身に受けた非常に大きなダメージで混乱し、警察への届出をためらう傾向にあります。
 卑劣な性犯罪を潜在化させないために、後に、被害者が、被害届を出す決意をした場合に備え、予め証拠を採取しておく仕組みを構築することは、大変重要です。
 県が運営する「かならいん」で、証拠採取等を行うためには、性犯罪の証拠を速やかに採取できる体制や保管場所の確保、これらを担う医療従事者等が必要となり、医療機関の全面的な協力が欠かせません。

 そこで県は、昨年3月、産科婦人科医会の協力を得て、「かならいん」の協力医療機関66箇所に、証拠採取等の実施について、意向を調査しました。
 新型コロナウイルス感染症の影響で、その後の検討は一時中断を余儀なくされましたが、現在県では、証拠採取等に積極的な意欲を示した湘南鎌倉総合病院と、その仕組みづくりの検討を始めています。
 具体的には、性犯罪の証拠が、裁判で確実に採用されるための採取の手順や、保管方法等について、捜査機関や弁護士等の助言を得ながら検討しています。
 また、湘南鎌倉総合病院では、今年度、県費を活用して、6名の性暴力被害者支援看護職「SANE」の養成を始めるなど、専門人材の育成を進めています。
 こうした中、湘南鎌倉総合病院は、現在も新型コロナウイルス感染症の患者の対応に、病院一丸となって当たっていただいています。

 県としては今後も、病院のこうした状況を十分考慮しながら検討を進め、来年度中に「かならいん」での証拠採取等の実施を目指し、取り組んでまいります。

要望

 かながわ性犯罪性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」の取組みについて、具体的なご答弁をいただきました。
 まずは、湘南鎌倉総合病院としっかり連携をし、取組を進めていただきたいと思います。その上で、将来的には病院拠点型の支援センター、これを目指して頂きたいと提言を申し上げたいと思います。センターの形、大きく3つに分かれます。
 一つが産婦人科医療を提供できる病院内に相談センターが置かれる病院拠点型、そういった医療を提供できる病院に近い場所に相談センターがある相談センター拠点型、神奈川県は相談センターと複数の協力病院が連携する連携型を取っています。この協力病院には大変にご尽力を頂いておりますが、一方で、例えば夜間や休日の受入れなど協力病院によって対応が異なるため、緊急時に医療機関の調整を図らなくてはならないと、こういうこともあるのです。
 内閣府の委託を受け、令和元年に初めて実施された、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターを対象とした支援状況等調査では、他県の病院拠点型のセンター、医療的な支援の充実や証拠の採取や保管が実施をされているだけではなく、協力病院と積極的にネットワークを構築して、研修やスーパーバイズを実施するなどの専門人材の育成も行われていると伺っています。
 「神奈川県犯罪被害者等支援推進計画」、この改定が令和5年度に諮られていくものというふうに思いますが、これを一つの目途として、病院拠点型センターへの移行というものご検討いただけますよう要望させていただきます。