公明党神奈川県議団

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平成21年9月定例会にて代表質問を行いました。

赤井 かずのり 議員(平塚市)

行財政改革について

事業仕分けについて

行政のムダづかい根絶のために、「事業仕分け」を実施する自治体が、最近増えてきている。他の自治体や民間の状況はどうか、止めるとどうなるのかなど、さまざまな観点から、外部意見も入れて検討を行うこの手法は、「政策のたな卸し」に非常に有効である。本県でも、18年度から、「県の仕事の総点検」として、事業仕分けが実施されることとなったが、その取組みを継続・強化していただきたい。

そこで知事にお伺いします。

これまで実施してきた「事業仕分け」で示された方向にそった見直しの達成度はどれくらいになっておりどのような成果をあげたのか、所見を伺いたい。
また、これまでの取組みを通じての課題認識と、それを踏まえた今後の対応について、あわせて所見を伺いたい。

公共施設の老朽化について

公共施設の老朽化の問題について、東洋大学経済学部の根本祐二教授は、試算結果を踏まえ、新規投資の財源はない、既存施設でも全部は更新できない、更新しないと決めた施設は、売却や賃貸で経済的な活用をすべきということを指摘している。このような検討を可能にするために有用なのが、施設ごとの費用や利用状況を記載した施設白書である。
さらに、民間活力の活用の検討も必要である。PFIや指定管理者制度をさらに一歩進めて、公共資産活用型PPPの導入も検討すべきである。

そこで知事にお伺いします。

県有施設における安全確保のためにも、後年度にわたる老朽化による影響を定量的に明らかにし、県民に開かれた議論を行い、県民合意のもと、県有施設の再編方針を策定すべきであり、その際、公共資産活用型PPPの手法も取り入れた財源確保もあわせて検討すべきと考えるが、所見を伺いたい。
また、県有施設の再編を検討する上で非常に有用な情報となる運営費などのコスト情報、利用状況、収入などの運営情報を明らかにした施設白書を作成すべきではないかと考えるが、あわせて所見を伺いたい。

福祉施策について

高齢者標準社会の創造とシルバーニューディールについて

高齢者の「健康人口」をみると、70歳代では圧倒的に健康人口が多く、80歳代前半でも、まだ健康な方々が過半数であり、定年以降の20年間は人生の第三ステージ、「アクティブ・エイジング」として位置づけることが可能である。一方で、健康であっても加齢に伴う身体機能や認知機能の一定の低下は避けられないため、高齢者のアクティブな活動を可能とするには、人の移動やコミュニケーション等を支える社会インフラまたはサービスについて、低下した機能を高齢者目線で補うという社会の視点が欠かせない。
若者や中年を標準として築いてきた社会を、高齢者を標準とした社会に再構築する「シルバー・ニューディール」を東京大学政策ビジョン研究センターが提唱している。高齢者が安心して暮らせる社会に設計し直すことで、「新たな技術に基づいた商品やサービスの開発が期待でき、需要創造や雇用拡大が見込める」というのである。

そこで知事にお伺いします。

将来的に高齢化のスピードが全国一となる本県が、今後増える一方の高齢者の方たちの社会参加を促すと同時に、若者や中年を標準として築いてきた社会を、高齢者を標準とした社会に再構築する高齢者標準社会の実現を目指していくべきであると考えるが、所見を伺いたい。

レスパイトケアについて

高齢者・障がい者の介護にあたる家族が、一時的に介護から離れ、心身のリフレッシュを図るレスパイトケアの大切さが最近注目されつつあるが、特に障がいの分野では、ショートステイひとつとっても、質量とも、地域で暮らす障がいのある方とご家族にとって、必要十分なものとはいえないのが現状である。
事業者側から見ても、ショートステイは報酬単価が低い設定になっているにもかかわらず、思いのほかリスクが高いという問題がある。

そこで知事にお伺いします。

本県では、障がい者を在宅で介護する家族の方への慰労の意味もこめた在宅重度心身障害者等手当の縮小を決めたところであり、当然、家族の方に対するレスパイトケアも充実されてしかるべきであるが、本県のこれまでの取組みと課題、そして、今後どのように対応されていくのかについて、所見を伺いたい。

神奈川版ヘレンケラーセンターについて

「見えない」「聞こえない」という二重の障がいがある盲ろう者の支援拠点となる東京都盲ろう者支援センターが、今年の5月27日、全国に先駆けてオープンした。
本県内にも1,000人以上の盲ろう者がいるといわれており、視覚障害者にはライトセンター、聴覚障害者には聴覚障害者福祉センターがあるが、どちらも「見えない」「聞こえない」という状態の盲ろう者に対応できる施設ではない。

そこで知事にお伺いします。

苦しんでおられる盲ろう者のために、また、盲ろう者を支援する方たちの輪を広げていくためにも、ぜひ、本県でも、「神奈川版ヘレンケラーセンター」を立ち上げていただきたいと考えるところであるが、所見を伺いたい。

待機児童解消に向けた取組みについて

この9月に厚生労働省の調査で判明した21年4月現在の全国の待機児童数は、過去最大の増加になっていることが明らかになった。不況による保護者の就労希望の増大や、都市部における大規模なマンション建設等による子育て世帯の流入などが、この激増の原因と考えられているが、今後、保育ニーズは、様々な要因により、ますます高まるであろうことが十分に想定される。
国も、待機児童の解消を掲げ、安心こども基金を創設し、15万人の定員を増やす計画であったが、民主党のマニフェストには、具体的な整備目標は示されてない。

そこで知事にお伺いします。

待機児童が急激に増加する中で、県民の保育ニーズは高まる一方である。まさしく喫緊の課題である待機児童解消にどう取り組むつもりか、特に安心こども基金の期限が終了する23年度以降、どう対応していくつもりか、所見を伺いたい。

神奈川県観光振興条例について

観光振興について

今回提案された観光振興条例では、基本理念の一つ目に、「観光の振興は、本県に存在する多様な観光資源の特性が十分に発揮されることを旨」とすることが規定されている。多様な観光資源が存在する本県にとって、観光振興をすすめるにあたっては、県全体を一括りとした考え方ではなく、地域の特性を活かすことが大変重要である。
また、観光振興は県の取組みだけで目的が達成できるものではなく、地域の市町村、民間団体、企業などと連携し、力を合わせて取り組んでいくことが必須であり、そのためには、観光振興のための活動にインセンティブを与える、「観光大賞」や、「観光振興功労者表彰」などの仕組みを新設することが非常に有効ではないかと考えている。
さらに、観光振興条例を制定するこの機会に、観光に関して迅速な施策実行を実現するため、例えば、観光地の土地利用、道路問題など、さまざまな課題を部局横断的に決定することのできる体制をつくるべきである。

そこで知事にお伺いします。

本定例会で提案された条例をもとに、地域の特性を活かした観光の振興にどのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

また、観光振興を推進するため、表彰制度などの新たなインセンティブの仕組みや、部局横断的な課題に迅速に対応できる体制整備が必要ではないかと考えるが、あわせて所見を伺いたい。

公共下水道について

公共下水道や合併処理浄化槽のBOD除去率は約90~95%となっていて、どちらで処理しても綺麗な水にすることができる。
全国的に、汚水処理は下水道のみではなく、合併浄化槽との経済性の比較により検討する、という流れがある中で、本県としても、この問題について適切な対応をとっていく必要がある。

そこで知事にお伺いいたします。

下水道の整備は、市町村の負担も重く、地域によっては合併処理浄化槽のほうが安上がりで、整備が速く進む場合もある。これからの下水道整備については、事業主体である市町村が、地域の特性や経済性を検討し、住民の意見をしっかり聞いた上で、事業を進められるよう県としても対応していくことが必要と考えるが、所見を伺いたい。

新型インフルエンザについて

現状の把握とピーク時の対応について

現在、新型インフルエンザの感染が急速に拡大している。既に、どこで誰が感染してもおかしくない状況であり、患者の急増に対応できる各地域ごとの医療提供体制の確立が急務である。医師や看護師など人員の確保をはじめ、重症者の増加を想定したベッドや人工呼吸器などの医療機器の確保、休日・夜間の診療体制の整備、院内感染対策など、課題は山積している。
9月8日付けの新聞報道で、新型インフルエンザの大流行が懸念される中、小児や妊婦、透析患者ら「ハイリスク者」が感染して重症化した場合に、受け入れて専門的治療ができる医療機関の数を把握できていない団体の中に、本県が入っており、「対応の遅れが浮き彫りになった」とまで書かれている。

そこで知事にお伺いします。

パンデミックが目の前に迫り、強毒化が懸念される新型インフルエンザに対して、山積している課題に関する現状の把握と、それに基づくピーク時の対応のシミュレーションを早急に行うべきと考えるが、所見を伺いたい。

BCP、業務継続計画について

業務継続計画について、昨年9月定例会で、知事は、21年度中の策定を明言された。その時点では、新型インフルエンザの発生自体が、いつおきるかわからないという状況下であったが、その後、状況は急変した。
パンデミックの際には、罹患した家族の看病などのために休む職員も含めれば、相当の職員が欠勤することも考えておかなければならない。その時、業務継続計画ができていなければ、新型インフルエンザの最前線に立つべき公共部門自体が機能不全に陥ってしまうのは間違いない。これほど新型インフルエンザに関し、話題になり懸念されているのであるから、その対策として、当然、業務継続計画の策定は前倒しされていることと思う。

そこで知事にお伺いいたします。

インフルエンザ・パンデミックに備えた県庁の業務継続計画は、今、どのような状況で、いつごろ策定されるのか伺いたい。
また、900万県民にとっては、市町村の業務継続計画の方が身近な問題であるが、県として、市町村の業務継続計画の策定を促す取組みについて、どのように考えているのか、あわせて所見を伺いたい

学校経由の新型インフルエンザ大流行の予防について

新聞報道によれば、埼玉県和光市では改めて、新学期から市内小中学校の児童・生徒への登校前の検温と健康観察の徹底、発熱時の医療機関の受診について各家庭に要請し、市内の全児童・生徒は毎朝、体温のほか、のどの具合や鼻水の有無などを記録した健康観察表を担任に提出させているとのことである。登校前の検温については、全国的に多くの自治体で早くから呼びかけられてきたが、学校での感染が急速に広まりつつあることからも、2学期が始まったこのタイミングで、改めて登校前の検温の徹底を呼びかけるべきである。

そこで教育長にお伺いいたします。

県立高校をはじめ、市町村教育委員会にも協力を呼びかけ、生徒、児童に対して改めて登校前の検温、健康観察の実施を呼びかけるべきではないかと考えるが、所見を伺いたい。