公明党神奈川県議団

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障がい者支援施策について

小野寺 慎一郎 議員(横浜市旭区)

(1) 障害者地域生活支援推進プログラム大綱の進捗について

平成22年度から平成26年度までの5年間を対象期間として策定されたかながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱は、障がい者の地域生活の質を左右する重要なものであるがゆえに、策定時に多くの当事者団体から、さまざまな意見が寄せられ、その進捗は今でも注意深く見守られている。しかし、この大綱は、取組の基本的な方向として具体的なメニューを示してはいるが、5年間のうちに進めるとしているだけで、年次ごとのスケジュールもなければ、予算も数値目標も掲げられておらず、達成状況を推し量る指標が存在しないため、障がいのある方々および、その方々によって構成される団体の満足度を、評価基準の一つにしてはどうかと考える。
そこで、この大綱は、神奈川県障害者地域生活支援施策検討小委員会を組織して検討し策定したものであることから、改めて策定に際し意見等を聞いた当事者団体の方々との間に協議会等を設け、大綱の進捗状況や今後の進め方について検証・検討するとともに、中間評価を行ってはどうかと考えるが、所見を伺いたい。

黒岩知事答弁

次に、障害者地域生活支援推進プログラム大綱についてお尋ねがありました。
プログラム大綱につきましては、障害当事者や家族の代表を含む、神奈川県障害者施策推進協議会のもとに、施策検討小委員会を設置し、障害者などの意見をお聴きしながら、策定いたしました。
初年度である22年度の取組状況につきましては、障害者施策推進協議会に報告するとともに、様々な観点から、ご意見をいただきました。
この協議会での意見をもとに、今年度、重度障害者の日中活動の場である、デイサービス事業所の施設整備に対する助成を、新たに行ったところです。
また、障害者施策推進協議会だけでなく、広く障害者の皆様のご意見を伺うため、県内の障害者団体を対象とした障害者施策説明会や、個別にご要望をいただいた障害者団体に対し、各年度の取組状況を説明し、意見交換を行っております。
プログラム大綱の期間も、半ばにさしかかってまいりましたので、これまでの取組みについて、中間の取りまとめを行い、障害者施策全体の状況も踏まえ、障害者団体などとともに、評価する場も必要と考えております。
そこで、今後、速やかに、そうした場を設け、障害者や関係団体の皆様のご意見を伺いながら、プログラム大綱に基づく事業に、着実に取り組んでまいります。

(2) 精神障害者の医療支援等について

在宅重度障害者等手当の見直しの完全実施が平成24年度に迫っているが、手当を大幅削減し、そこで生まれた財源を、障がい者のための地域生活支援策に充てるという県の計画が、順調に進んでいないことは、県議会の質疑を通して明らかである。本来、求められるのは、手当の大幅削減に見合う地域生活支援サービスを確実に組み立てることであり、経過措置の延長ではない。本県の障がい者福祉施策の底上げのために、活用対象施策の拡大も視野に入れた再検討を提案する。
例えば、精神障がい者に対する重度障害者医療費助成制度の適用は、既に11の県内自治体で独自実施しており、県として早期に制度創設すべきとの要望が強く、また、特別支援学校のスクールバスの拡充は、依然として不十分であり、その理由はひとえに財源の問題である。
そこで、在宅重度障害者等手当の見直し財源を障害者地域生活支援推進プログラム大綱に定められた施策など障がいを持つ人にとって、最も身近な福祉サービスに充てることは言うまでもないが、本県の障がい者福祉施策の底上げのために、例えば、精神障がい者を重度障害者医療費助成制度の適用対象とすることや、特別支援学校のスクールバスの増車あるいは増便のために、見直し財源を活用することはできないか、所見を伺いたい。

黒岩知事答弁

次に、精神障害者の医療支援等についてお尋ねがありました。
県では、在宅重度障害者等手当の見直しと併せて、平成22年度から、「障害者地域生活支援推進プログラム大綱」に基づいて、障害者が地域において生活するための支援に取り組んでおります。
初年度の取組みの中で、特別支援学校へ通う障害児の通学支援のように、市町村が移動支援として事業を開始した場合の事業費に対する補助を創設したものの、活用が図られなかったものもございました。
平成23年度は、こうした事業についても、市町村に働きかけて活用の促進を図るとともに、重度障害者のため、デイサービスの事業所や住まいの場であるケアホームの新設など、障害者のニーズを踏まえた取組みを加えながら、障害者施策全体の拡充に向け、取組みを行っているところでございます。
在宅重度障害者等手当の財源の活用として、具体的にお話のあった、重度障害者の医療費助成制度の対象に、精神障害者を加えることにつきましては、市町村の財政負担の問題や、社会的入院との関係などもありますので、今後、検討していくべき課題であると認識しております。
また、特別支援学校のスクールバスにつきましては、これまでも増車を図ってきたところですが、障害児の通学負担の軽減という視点で、通学の実態を踏まえ、教育委員会とよく相談してまいりたいと考えております。
当面は、引き続き、市町村と連携して、プログラム大綱に位置づけた事業に、しっかりと取り組み、平成24年度に向けて、「手当からサービスの充実へ」ということが実感できるよう、障害者の地域生活支援施策の拡充に努めてまいります。

再質問

精神障害者に対する医療費助成についてであります。
私も、第1回目の質問で申し上げたように、見直し財源がどのように活用されていくのか、大変注視をしておりましたけれども、この間、なかなか、議論はするけれども、本当に大幅にですね、見直し財源の活用が図られる、拡大するということはなかった訳です。それで、私もこういう提案をさせていただくというのは、ある種、手当をこれから切られてしまう方々に対しては、相当、こう、決断をしてですね、こういった公式な場で申し上げている訳ですよね。経過措置は、今年限りであります。これは、手当の見直しがですね、しっかりと図られないまま約12万人の人々の手当がなくなるということは、これは明らかにですね、県の福祉の後退なんですよ。手当の見直しというのはですね、前松沢県政で着手されたものではありますけれども、やっぱり、「いのちかがやくマグネット神奈川」ということをスローガンとする黒岩知事が、就任して間もないうちにですね、福祉のカットというものが行われるという事態は、私は避けなければいけないというふうに思っています。
太陽光発電においては知事が行政を圧倒的にリードをしているんだというふうに思いますけれども、同じようにですね、精神障害者の医療費助成、今、どういう状態にあると知事が認識されているのか、ちょっとお伺いしたいんですね。そしてまた、さっき社会的入院との関係というご答弁もありましたけれども、それが何を意味しているのかということもお聞きしたいですし、現状はですね、重度精神障害者が置かれている医療的な環境、これについて知事がどういうご見解を持っていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。よろしくご答弁お願いします。

黒岩知事答弁

重度障害者の医療費助成制度の対象に、精神障害者を加えることにつきましては、家族会などからの要望、三障害の一元化ということ、十分承知をしているところであります。
一方、事業の実施主体である市町村にも多くの財政的な負担をかけることや、精神障害者の社会的入院の長期化につながるのではないか、という部分につきまして、十分な考慮が必要だと考えているところです。
こうしたことから、今後、検討していくべき課題であると私自身は認識しております。
議員ご指摘の通り、「いのちかがやくマグネット神奈川」と掲げていながら、いわゆる福祉というものがいきなり後退するというふうなことは、私もなんとか避けたいと考えております。ですから、この「手当からサービスへ」という大きな方向性の中で、そのサービスといったもの、これが、変わったんだなあ、そう障害者おひとりおひとりが実感できるというところまでいかなければこれはご理解いただけない施策であろうと、基本的に考えております。以上です。

再々質問

知事、ご答弁ありがとうございます。
社会的入院うんぬんというご答弁に対してのことをお尋ねしたつもりだったんですけれども、お答えいただきましたでしょうか。

黒岩知事再答弁

ただ今の小野寺議員の再質問のうちの、今の部分につきましては、保健福祉局長から答弁させていただきます。

保健福祉局長答弁

社会的入院ということでございます。精神障害者の方が、その症状をいったん発症された場合に、ある意味で長期的な入院をせざるを得ないという状態が生じることもあります。そういった意味で、精神障害者の方がそういった入院へ、長期的に入院するようなこと、そういったことを私ども懸念をしているところでございます。

再々々質問

今の局長のご答弁なんですが、ちょっと理解しにくいところもありましたので、もう一度ゆっくりとわかりやすく、よろしいでしょうか。

保健福祉局長再答弁

精神障害者の方がいったん症状を発症した場合に、病院へ入院しなければならない、措置をせざるを得ないような状況、こういうような状況が発生する可能性もあります。そういった場合に、障害者の方がその後、長期入院をするというようなこと、こういうようなことが多々あると私どもは懸念をしているということでございます。以上でございます。

黒岩知事再々答弁

社会的入院とは、本来は入院する必要がない、本来ならばご自宅に帰っていただく、というべき患者さん、しかしなかなかその地域に帰っていただくことができない、そういう中で入院を続けていただいているという、そういう状況だと認識しております。ですから、精神障害者の皆さんの中にそういう方が多くいらっしゃるということは、まだその社会の受け皿が十分に機能していない、そういった問題だと私は認識しております。

再々々々質問

なかなか私の再質問の意図が伝わってないのかなとも思うんですが、それとですね、今、まさに局長や知事からご説明いただいたことと、その精神障害者を重度障害者医療費助成制度に含まないということの関係がわからない。
局長のお話を伺うと、なんかそれだと、お金がかかってしまうから、そういうふうに捉えられますし、それを危惧してるんだ、懸念してるんだ、というようなふうにも捉えられるし、ちょっと今、知事と局長のご答弁、わからないので、整理していただきたいというふうに思うんですが。お願いします。

黒岩知事再々々答弁

私は、社会的入院ということを聞かれたので、社会的入院とは、ということでお話を申し上げた次第であります。
そして、先ほど申し上げたように、精神障害者をその助成制度の中に加えるということについて、強いご要望があるということは、理解はしております。しかし先ほど申し上げたように、この非常な財政的負担を伴うことでありますので、今すぐにそれを実現するというのはなかなか難しい、ということでありまして、このあたりの問題は、今後の検討していくべき課題として考えていきたいということでございます。

要望

若干答弁に混乱があったようでありますけれども、社会的入院というのが障害になるということでありました。これはお調べいただくとわかるんですが、入院を除外して、例えば通院患者だけを対象に助成をしている自治体もございます。様々、柔軟な形でそれぞれの自治体の力に応じてですね、最大限努力をしているというのが現状であります。先ほど申し上げたように、神奈川県内でももう既に11の市町がこの制度を独自に行っております。そうした市町の要望にもしっかり耳を傾けながら、県としてどういうふうにやるべきなのか、しっかりご検討いただきたいというふうに思います。