公明党神奈川県議団

ホーム所属議員 重点政策 活動リポート ニュース 本会議 常任委員会 特別委員会 ご意見・ご要望

たな総合計画の策定について

高橋 稔 議員(横浜市港南区)

(1) 総合計画策定の視点について

総合計画審議会に提出された総合計画の「基本構想」の素案では、「いのち輝くマグネット神奈川」を基本理念とし、3つの将来像が示されている。
県民一人ひとりの“いのち”を大切にする、地域の魅力を存分に引き出していく、そして、それをあらゆる担い手が力を合わせて実現していくこと、これは私たちが常々訴えていることに他ならない。
また、「実施計画」についても、これまでになくシンプルであり、知事の政策の方向性がダイレクトに伝わる形になっている。
これらの具体的な政策が、実際にどのような手法で推進されるのか、その手法が果たして有効なものであるのか、議会としてもしっかりと検証し、議論しなければならない。
そこで、今回の「基本構想」の変更と、新たな「実施計画」に関して、策定にあたり、どのような視点で取り組もうとしているのか、所見を伺いたい。

黒岩知事答弁

髙橋議員のご質問に、順次お答えします。
はじめに、新たな「総合計画」に関連して、計画策定の視点についてお尋ねがありました。
まず、基本構想につきましては、「いのち輝くマグネット神奈川を実現する」という、私がこれまで県民の皆さんに訴えてきたメッセージを改めて位置づけることで、政策の基本理念を明らかにいたしました。
この基本理念のもと、東日本大震災の想像を超える被害や、福島第一原子力発電所の事故による電力不足と放射能汚染などへの対応を図るため、エネルギー政策と環境共生の2つのキーワードを、政策展開の基本的視点に追加したほか、災害対策を中心に修正を行っております。
また、実施計画につきましても、こうした基本構想で示した基本理念や、政策の基本方向に沿って、今後3年間に優先的・重点的に取り組む政策について検討をすることといたしました。
具体的には、県のすべての政策について、県民のいのちが輝く政策か、あるいは、マグネット力を高める取組みなのかという視点に、徹底的にこだわり、「選択と集中」を進めました。
そして、その上で、先進性や発展性を持った政策を、分野横断的、部局横断的に整理し、「神奈川からのエネルギー政策の転換」など、6本の政策の柱のもとに、27のプロジェクトとして取りまとめたところであります。
ところで、かつて私が日産のカルロス・ゴーン社長にインタビューした際、日産が再生を果たす原点となった、「クロス・ファンクショナル・チーム」についてお話を伺うことができました。
これは、組織の縦割りの垣根を外し、異なる部門が力を合わせて、一つのプロジェクトに横断的に取り組む体制であります。
新たな総合計画の推進にあたっては、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現に向け、まさに、こうした「クロス・ファンクショナル・チーム」の考えを取り入れ、「神奈川モデル」としてのプロジェクトに県民総力戦で取り組むことにより、複雑化・多様化する県政課題に的確に対応してまいります。

(2) 県民に分かりやすい目標設定の考え方について

総合計画の着実な推進を図るためには、県民が変化を実感することができるような目標をしっかりと掲げ、政策の実施を評価し、評価の結果に沿って政策を適切に見直すといった、目標管理を徹底することが不可欠である。事業費を担保して、決められた事業を実施することに力を注ぐのではなく、目指すべき目標をしっかりと見据え、その目標に向かって臨機の対応を図ることができる柔軟さこそが必要になる。組織マネジメントにおいては、的確な目標設定と事後評価の重要性はますます高くなっている。
そこで、新たな総合計画において、【1】どのような目標を設定しようとしているのか、特に、素案で示された目標はどういった経緯で選定したのか、また、【2】これまでの計画で達成率が低い目標をどのような考え方で整理したのか、目標設定の考え方について、所見を伺いたい。さらに、【3】計画の推進にあたって、どのような工夫をしようとしているのか、併せて所見を伺いたい。

黒岩知事答弁

県民に分かりやすい目標設定の考え方についてお尋ねがありました。
総合計画の着実な推進を図るためには、県民がその成果を実感できる目標を掲げ、その達成に向け、取組みを進めていく必要があります。
このため、新たな「実施計画」では、プロジェクトごとに、取組みの成果を示す数値目標を選定いたしました。
具体的には、これまでの評価結果や総合計画審議会でのご議論を踏まえ、県の取組みの成果が現れる指標で、毎年度、実績数値が分かるものを選定するとともに、その理由を明示することといたしました。
一方、議員お話しのとおり、前計画で設定した数値目標には、例えば、「1保育所あたりの入所待機児童数」のように、リーマンショック後の厳しい経済情勢の影響による、子育て中の母親の就労などの増加により、入所希望者が急増し、計画期間中の目標達成度が低くなった指標もあります。
そこで、今回、「子ども・子育て」に係るプロジェクトでは、県の支援の成果をより的確に反映する指標として、「認可保育所の定員数」を目標に掲げ、増加する待機児童への対応を図るなど、よりプロジェクトのねらいに沿った目標の選定に努めているところです。
次に、計画の推進にあたっては、どのような工夫をしようとしているのかとのお尋ねがありました。
プロジェクトの推進にあたっては、毎年度、総合的な評価を行い、その結果を踏まえて政策の見直しを行うPDCAサイクル、plan-do-check-action計画・実行・評価・改善といったサイクルの徹底を図ることで、県民に計画の進捗を分かりやすく示してまいります。
また、目指すべき目標の達成に向けては、厳しい財政状況のもと、より一層の「選択と集中」の徹底を図るとともに、多様な主体との協働連携による取組みを広げるなど、事業実施上の工夫を積み重ねることにより、着実に総合計画の推進を図ってまいります。