公明党神奈川県議団

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防災・防犯対策への女性の活用について

西村 くにこ(川崎市川崎区)

(1) 女性の視点を活かした防災への取組について

今回の震災では、長引く避難所生活で、衣服を着替える場所がない、下着を干せない等々、女性の人権に関わる問題が相次ぎ、災害対策に女性の視点が欠けていることが明らかになった。
地域防災計画を見直しているこの時に、防災対策に関わる様々な女性の声を収集し、計画に反映することが大変重要であり、普段から女性の意見をしっかりと取り入れる体制を作っていかなければ、災害時に女性や高齢者、障がい者、子ども等に支援の手が届かないという事態を招きかねない。しかし、県の防災対策を検討し、地域防災計画を作成する神奈川県防災会議には女性委員はおらず、防災関連の検討会等にも殆ど女性の登用はなく、現状では女性の意見を吸い上げることが難しいのが実態であり、きちんと女性の意見を吸い上げるスキームを考え、実行していく必要がある。
そこで、県として、女性の視点からの意見をどのように把握し、地域防災計画をはじめ、災害対策にどのように活かしていくのか、所見を伺いたい。

黒岩知事答弁

西村議員のご質問に順次お答えしてまいります。
はじめに、防災・防犯対策への女性の活用について、何点かお尋ねがありました。
まず、女性の視点を活かした防災への取組みについてであります。
防災計画を策定する上で、女性の視点や参画は大変重要でありますので、県では、本年5月に修正した県地域防災計画に、避難所運営や防災訓練などに男女双方の視点に配慮することや、自主防災組織への女性の参加促進などを盛り込み、各市町村の計画にも位置づけるよう通知したところであります。
現在、東日本大震災を踏まえ、計画全般にわたり見直す作業を進めていますが、たしかに、女性の視点を計画に反映することが重要であると思いますので、今後、実施を予定しているパブリック・コメントや、女性関係団体への意見照会を通じ、避難所運営の災害時の対応などに関するご意見をいただくよう取り組んでまいります。
なお、本年度の「県民からの政策提案制度」で、県民の女性から、「東日本大震災で、夜間、地域全体が暗くなり、怖い思いをした。広域避難地として指定されている県立公園の入り口に、太陽光発電による照明施設を設置したらどうか」という、まさに女性の視点からのご提案がありまして、早速採択したところであります。
また、災害対策関係の各種会議への女性委員の参画も重要であります。このため、東日本大震災を踏まえて設置した「県地震災害対策検証委員会」には、女性委員に参画していただき、様々なご意見をいただいているところであります。
さらに、「県防災会議」については、現行の災害対策基本法では、防災会議の委員構成が、関係機関の長などの職指定となっていることなどから、現在は、女性委員がおりません。
しかし、女性の登用は重要でありますので、法に規定された「知事の部内の職員」、この枠を活用して、女性委員の参画を、直ちに実施いたします。
あわせて、県としては、女性委員の登用が容易となるよう、制度改正を国に要望してまいります。
今後は、このような取組みにより、女性の参画を促進するとともに、防災施策全般に女性の視点が反映されるよう努めてまいります。

要望

女性の視点を活かした防災の取組という質問させていただきましたが、本当に前向きなご回答を頂戴し、ありがとうございます。防災会議に女性の力を、女性の意見を入れてくださるということで、「県のたより」12月号の裏表紙が、今回は「消防団で働く女性の力」という特集を組んでくださっておりました。
ただ、先ほどもご紹介をさせていただいたのですが、私ども、公明党地方女性議員で調べまして、その県内の様子ですが、もちろん、男性消防団員と変わらない戦い、活動をしています、と答えてくださったところもあります。女性消防団員だけで、一つの団があります、こう答えてくださった前向きな自治体もあれば、実は63%の自治体には、女性消防団員がいないという状況でございます。
その理由としては、更衣室がないとか、トイレがない、だから今後も女性を配置するのは、大変難しい、そういう地域の声もある。
どうぞ、地元の現状を掌握されて、女性の視点を生かした防災対策、また、地域を担う女性防災リーダーの育成にご尽力いただきますよう要望をいたします。

(2) 女性の自動車警ら隊員について

これまで自動車警ら隊は、男性警察官が職務に当たっていたが、女性警察官の登用には大きなメリットがある。例えば、事件事故の直後、被害者が女性や子ども、高齢者の場合には、女性隊員がきめ細やかに対応することで、安心していただけ、その結果、より詳細に事情聴取できる効果も期待できるのではないかと思う。
男性警察官の働きを担える女性を登用するという視点だけでなく、女性の特性をより良く活かし、男女それぞれの能力が引き出された「新たな自動車警ら隊 神奈川モデル」の構築が望まれる。
今回は、6名の女性警察官が自動車警ら隊に配置されたが、これが一部の女性の登用で終わることなく、今後ともこの6名の後に続くような、良い意味での人材の循環を期待している。
そこで、自動車警ら隊に入隊した6名の女性警察官の運用状況や配置したことにより期待できる効果について、所見を伺いたい。

警察本部長答弁

次自動車警ら隊の女性警察官の運用状況について、お答えを致します。
本年9月2日に自動車警ら隊に入隊した6人の女性警察官は、約3か月間にわたり、パトカーの運転技能、職務質問や無線通話要領のほか、武道や各種装備資機材の使用方法など、パトカー乗務員として必要な訓練を行いました。
12月1日からは、第一線の現場において、男性警察官と共にパトカーに乗車し、警ら活動を通じての犯罪の予防・検挙や、110番通報への対応等を行っているところであります。
次に期待できる効果ですが、自動車警ら隊の女性警察官として、実戦配備して間もないことから、具体的な効果はまだ表れておりません。しかし、男性警察官では対応の難しい女性に係わる犯罪被害、例えばストーカー事案や性犯罪の被害者等に対する同性ならではの事情聴取のほか、薬物事犯等の女性被疑者の所持品検査、子ども・女 性・高齢者の保護活動等、女性警察官の対応が望ましい初動活動において 女性の特 性を活かした不安感の解消など、事案に即した適切な対応が期待されているところであります。
県警察といたしましては、これまで女性警察官の配置がなかった係等を含め、今後 とも女性の特性を活かせる部門への登用の拡大を積極的に推進して参ります。
以上でございます。