公明党神奈川県議団

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防災・減災ニューディール政策と連動した防災ソフト対策の推進について

赤井 かずのり(平塚市)

質問要旨

(1)帰宅困難者対策について

昨年の東日本大震災では、首都圏を中心に帰宅困難者が大量発生し、大きな混乱をもたらした。
帰宅困難者対策の基本原則は、発生を抑制することにあり、このための周知・徹底に取り組む必要があるが、どうしても帰宅せざるを得ない方々もおり、配慮が必要である。
帰宅困難者は、一時期に大量に発生し、その対策は、多岐にわたるため、行政と事業者等が連携・協働して取組みを進めることが重要である。
そこで、首都直下地震など大規模地震に際しての帰宅困難者対策について、今後、県として、どのように取り組んでいくのか、条例制定も含め、所見を伺う。

黒岩知事答弁

次に、帰宅困難者対策についてお尋ねがありました。
本県で大規模地震が発生した場合には、鉄道など公共交通機関や道路に大きな被害が発生するおそれがあることから、帰宅困難者の発生抑制や駅周辺の滞留者の安全確保を図ることが重要であります。
まず、帰宅困難者の発生を抑制するため、地震発生直後は、「むやみに移動を開始しない」という、基本方針を周知、徹底いたします。また、発災時に、従業員などを事業所内に留めることや、水、毛布等の備蓄を進めていただくことなど、県民、事業者の皆さんの自主的な取組みを促進してまいります。
また、滞留者の安全を確保するため、市町村と連携して、一時滞在施設の開設や滞留者への情報提供に関するマニュアル作りを進めます。
さらに、帰宅困難者訓練については、県は、今年2月2日に、大和市と連携し、鉄道事業者の協力を得て実施いたしました。
本年度も、県西地域などで、市町村や関係団体とともに、実施を予定しています。
こうした訓練の成果を活かしながら、鉄道事業者、警察等関係機関が参加する地域協議会の設置について、市町村や鉄道事業者に、働きかけを進めます。
また、やむを得ず帰宅する方の支援のため、九都県市では、水、トイレ、道路情報の提供などを行う「災害時帰宅支援ステーション」の設置を進めており、さらなる拡充を図ります。
このような取組みを、県民・事業者の皆さんとの共通認識のもとで進めるため、帰宅困難者対策を条例として定めることも有効と考えられますので、地震災害対策に係る条例の検討の中で、位置づけを整理してまいります。

要望

帰宅困難者につきましても、女性の視点が非常にない、という点もあります。わが会派の西村議員の質問を受けまして、防災会議へ女性委員を入れたということで、内閣府の通達でも、全国に神奈川県の事例が発達されたそうであります。どうか女性の視点を入れられるように、それから、帰宅困難者トリアージ、これもぜひ、考えていただきたい。このように思います。

質問要旨

(2)災害図上訓練(DIG)の活用と防災教育について

東日本大震災では、学校からの集団避難の際に多大な犠牲が生じたという悲しむべき状況もあった、災害発生時に、自らの判断により、避難行動が取れるよう、学校での防災教育を推進するとともに、教職員も、学校が立地する地域の防災力について把握する必要がある。
児童・生徒、教職員の災害対応能力を向上させるためには、従前からの防災訓練ももちろん必要だが、各地域の特性に応じたケース・スタディを行うことも重要であり、このケース・スタディを容易に行うことができるものとして、災害図上訓練を行うDIGがある。
DIGは、災害発生をイメージし、地域の地図上に防災関連の情報を書き込み、災害時の対応策について議論するもので、災害への対応能力を高めるのに非常に有効である。  そこで、こうしたDIGの手法を、教職員に普及していくことが重要と考えるが、所見を伺う。

教育長答弁

災害図上訓練の活用と防災教育について、お尋ねがございました。
県教育委員会では、昨年度改訂した「防災教育指導資料」を、全ての公立学校に配布し、児童・生徒が、災害に直面した際に、自らの判断で適切な行動がとれるよう、防災教育に取り組んでおります。
この指導資料では、災害図上訓練を行うDIG(ディグ)に類似した手法として、児童・生徒が地域を歩き、災害時に危険と思われる場所を把握し、防災マップを作成して、危険回避のグループ討議を行う手法を推奨しております。
既に、実際に、取り組んだ学校もございまして、例えば、希望ヶ丘高校では、生徒が、震災による液状化現象の発生について調べ、ハザードマップを作成したり、平塚湘風高校では、教職員が、ボランタリー団体の指導のもと、地図を使い、予測される被害の検討を行っております。
この結果、多くの生徒と教職員から、災害の発生を具体的にイメージすることができて、有意義であったとの評価がなされております。
この防災マップづくりに、地域の方々の参加を得て、DIG(ディグ)の手法を採り入れた場合には、学校と地域の連携が強まり、学校の災害対応力を高める上で、より効果的であると考えております。
そこで、今後、DIG(ディグ)の手法を、全ての県立学校長及び市町村教育委員会に紹介するとともに、消防部門や民間団体等のご協力をいただきながら、積極的に防災教育を推進している県立学校において、モデル的に取り組んでまいります。  以上でございます。

要望

県立高校等で地域と一緒にDIGを活用していくという答弁をいただいたが、すでに静岡県教育委員会では「DIGにチャレンジ」という冊子を発行しているので、今後検討してもらいたい。
また、埼玉県や静岡県でも、ホームページにDIGの活用について掲載しているので、今後検討してほしい。