公明党神奈川県議団

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公的オンブズマン制度の導入について

渡辺 ひとし議員(藤沢市)

質問要旨

行政に対する監視、チェック機能は極めて重要である。議会では議会基本条例を制定し、会期日数を増やすなど機能を強化し、県民の様々な意見を反映できる取組を進めている。また、県も広聴制度や監査制度などが一定の役割を果たしているが、県民等の意見をどこまで反映させるのかは、行政側の裁量の中での対応に留まっている。
オンブズマンに期待される機能として、特に重要なのは、行政監視機能と行政改善機能である。行政監視を目的とした民間オンブズマンもあるが、任意団体であり調査権限や勧告権限はない。そのため、行政監視、改善機能を十全に果たす機関として、より公平な住民目線を持ち、公に認められた立場で、調査や勧告を行う権限を付与された公的オンブズマンの存在が必要である。

そこで、公的オンブズマン制度の導入について、どのように考えているのか、所見を伺いたい。

知事答弁

県行政を進めるにあたって、外部からの視点で行政をチェックするということは大変重要であります。
このため、行政の事務が適切・効率的に行われているかを独立した立場でチェックする監査委員制度があり、議員から選出された委員と識見を有する委員により、毎年、全ての所属を監査いただいています。
また、平成11年度からは、公認会計士などの外部の専門家による包括外部監査制度を導入し、監査機能の専門性、独立性を強化しています。
毎年度実施している包括外部監査では、これまで、基金の管理運用や労働事業など51件のテーマについて取り上げていただいています。
こうした監査における指摘事項や意見については、真摯に受け止め、県の行政運営の改善に反映しています。
さらに、「わたしの提案」制度や「知事あての手紙」などにより、県民の皆様の個別のご意見を受け止めています。これに加え、「対話の広場」や現場訪問などで率直なご意見を直接伺っており、速やかに県政に反映できるよう努めています。
最近の事例では、新聞報道もされましたが、病気で長期間入院し苦労された高校生からこの6月に届いた手紙をきっかけとして、9月には、早速各学校が教員を病院へ派遣して学習支援する制度を始めたところです。
こうした取組みを通じ、行政運営の改善に努めておりますので、現段階では、公的オンブズマン制度を取り入れる考えはありません。
引き続き、今後とも県民の様々なニーズに的確に対応し、信頼される県政運営に取り組んでまいります。

要望

否定的なご答弁だったと思いますが、公的オンブズマン制度の導入について、現行制度が機能しているというご答弁は、しごく当たり前と考えます。
しかし、この制度を導入した他県若しくは県内の市町村は、知事がご答弁にあったような監査制度や提案制度が機能していないわけではありません。
その上でさらにこういう制度を設けております。不祥事発生を機にして多くの県がこの制度を導入しています。不祥事という観点からは、本県も過去にもありましたし、今後もないとは限りません。
現行の制度を補完する意味で検討を前向きにお願いしたいということを要望させていただきます。