公明党神奈川県議団

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認知症対策の推進について

赤井 かずのり 議員 (平塚市)

質問要旨

国の新オレンジプランでは、「認知症の人やその家族の視点の重視」という基本的考えが示され、本県の認知症施策をより効果的なものとするためにも、認知症の本人及び家族の意見を積極的に聞く必要がある。

また、認知症の本人及び家族が指摘する、自分が認知症であることが認識できる、診断の前後から介護保険サービスの利用に至るまでの、いわゆる「空白期間」の初期の支援が不十分という課題がある。

新オレンジプランでも、「認知症初期集中支援チーム」について、平成30年度までに全ての市町村に設置することが位置付けられた。


そこで、本県の認知症施策の推進に向けては、認知症の本人及び家族の意見を積極的に聞くべきと考えるが、所見を伺いたい。


また、市町村の初期集中支援チームの設置に向けては、県の積極的な支援が必要と考えるが、どのように進めていくのか、併せて所見を伺いたい。

知事答弁

まず、認知症の当事者からご意見を伺うことについてです。

認知症の方やご家族が、地域で生活をする中で、日々感じている、当事者の視点からのご意見を伺うことは、今後の認知症施策を進める上で、大変、有効です。

そのため、県では、介護経験があるご家族に相談員をお願いし、認知症コールセンターで年間800件程度の相談に応じ、専門医療機関などにつないでいるところです。

しかし、認知症の方やご家族の継続的な支援につなげていくためには、より積極的にご意見を伺うことが必要です。

そこで、今後は、保健福祉事務所の保健師が認知症の方やご家族が参加される地域の集いを訪問するなど対応を強化していきます。


次に、認知症初期集中支援チームの設置に向けた市町村への支援についてです。

認知症の方やご家族が、認知症の診断というショックを乗り越え、自立した生活を続けていくためには、初期の段階から、医療や介護の専門職によるチームが、集中的に支援することが、大変、重要です。

この「認知症初期集中支援チーム」は、県内では、昨年度から開始した茅ヶ崎市に加え、現在、6市が準備を進めています。

そのため、県では、チームの設置を行う市町村に対して助言するとともに、立ち上げに当たっては、チームのメンバーを対象とした研修を実施していきます。

こうした取組みを通じ、市町村を支援し、平成30年度までに、全市町村での設置を目指します。

 今後も、認知症の方やご家族のご意見を伺いながら、市町村とも連携し、地域の支援体制をしっかりと構築してまいります。

再質問

認知症のご本人、ご家族からのご意見もいただき、保健師さん等々も現場に訪問されるという話を伺いました。

今、神奈川県では、認知症対策推進協議会が設置されていますが、このような場にも、認知症の方ご本人に参加をしていただく事も大事ではないかと思います。ご本人ならではの思いというものを、県の協議会の場などの正式な場で、発言できる場を設けてあげる必要があるのではないかと思います。

先ほど申し上げましたとおり、昨年10月に、日本認知症ワーキンググループという、新しいものが発足しまして、厚生労働大臣にも提言をしたと伺っております。どうか、そういう意味では、この辺について、神奈川県としても積極的に捉えていただきたいのです。

再質問の知事答弁

認知症の方のご意見を直接伺うということで、先ほどは、保健師等が、地域の集いとかに、こちらから訪問するお話をいたしました。

今、ご提案があったのは、協議会の場に来ていただくということでありました。

これは、非常にいいご提案だと思います。積極的に、前向きに検討して、そういう場を是非早く作りたいと思っております。

要望

ありがとうございます。積極的にそういう場を作っていただくということで、この認知症の問題、すごい前進だというふうに思っております。たしかに、ご本人の認知症が進んでいくというようなことで、リスクもあるかもしれませんが、是非、よろしくお願いします。


高齢化が非常に進むこの神奈川県、今後の認知症施策の取組みとして、3つの提案をしておきたいと思います。

まずは、認知症の対策係とか、グループとか、認知症の名前を冠した、特化した窓口が、今、神奈川県にはありません。すでに、各自治体では、認知症の名前を冠した窓口があるわけですので、こういうものの新設ということを検討していただきたいと思います。


2点目は、認知症サポーター、神奈川県は、何とか最下位から脱して少し上に行ったのですけれども、サポーターの方、オレンジリングというのはあるのですけれども、僕なんかもイエローリングになってしまっていますが、何か、もっと、例えばオレンジですから、オレンジのバッジを作ってみるですとか、何かもう少し、サポーターの方のモチベーションのアップにつながるような、こういう取組みを、神奈川県としても進めていくことができないかと思います。

また、昨年来、コグニサイズ(*)、知事が一生懸命言っております。まだまだ、神奈川県下、コグニサイズの普及推進については、なされておりません。ぜひ、この辺についても、積極的に進めていただきたい、この3点を認知症関係でお願いしたいと思います。

*コグニサイズ[cognicise]…Cognition (認知) とExercise (運動) を組み合わせた、国立長寿医療研究センターが開発した、運動と認知課題
(計算、しりとりなど)を組み合わせた、認知症予防を目的とした取り組みの総称を表した造語