公明党神奈川県議団

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ライフイノベーションの創出に向けた再生・細胞医療の産業化の促進について

西村 くに子 議員(川崎市川崎区)

質問要旨

川崎市の殿町地区に集積する企業や研究機関を活かしたイノベーションを創出するには、再生・細胞医療の有望な技術を持っているベンチャー企業を集積させ、大きく成長するよう県が積極的に支援を行っていくこと、そして、最先端のロボット技術と再生医療とを融合させる医工の連携が必要である。また、最先端技術が融合した取組が進むよう連携を支援し、規制緩和などを働きかけていくことが重要である。

こうした取組を推進することで、神奈川からイノベーションが生まれ、殿町地区を拠点とした、再生・細胞医療の実用化・産業化に向けた動きも、より一層加速するのではないかと考える。


そこで、ライフイノベーションの創出に向けて、再生・細胞医療の実用化・産業化を促進させるため、その鍵を握るベンチャー企業への支援や最先端ロボット技術との融合について、どのように取り組んでいこうとしているのか、所見を伺いたい。

知事答弁

ベンチャー企業への支援についてですが、再生・細胞医療の実用化や産業化を進めて行くためには、有望な技術をもつ企業や研究機関の集積、特に、革新的なシーズを持つベンチャー企業の集積を図っていくことが大変重要です。

一方、この分野は市場が未成熟であり、企業にとっては技術面やコスト面でのリスクが大きいことから、こうしたリスクを軽減し、事業展開をしやすい環境の整備が求められています。

こうした状況から、県では再生細胞医療の実用化・産業化の拠点として、殿町地区に「ライフイノベーションセンター」の整備を進めてきました。

施設もいよいよ4月にオープンを迎えますが、このライフイノベーションセンターに国内外から多くの有望なベンチャー企業を誘致します。

そして、企業の事業展開が円滑に進むよう、ベンチャー支援に精通する株式会社ケイエスピーと連携しながら、経営戦略・資金調達から販路開拓まで、きめ細かにサポートする「ハンズオン支援」を行います。

また、ベンチャー企業のニーズが高い、細胞の試験培養や分析を行える研究設備については、複数の企業が共同で利用することを支援するなど、国や業界団体とも連携しながら、総合的にサポートしていきます。

次に、再生・細胞医療と最先端のロボット技術との融合です。

医工連携のように、異分野の先端技術を組み合わせることは、イノベーションを生み出すために大変重要であることから、国の事業も活用し、こうした異分野が融合した研究への支援を進めていきます。

具体的には、この殿町地区で、実験動物中央研究所、慶應義塾大学、関係企業が共同で行う脊髄損傷の再生とロボットを活用した歩行機能回復などの研究について、文部科学省等と連携して支援を行う予定です。

今後も、こうした取組みを積極的に展開するとともに、殿町に立地する企業や研究機関相互の連携強化を図ってまいります。

さらに、昨年覚書を締結した世界有数の再生・細胞医療の産業化機構である英国の「セルセラピーカタパルト」など、海外とのネットワークや、国家戦略特区なども活用し、神奈川がこの分野でのトップランナーとなるよう私自らが率先して取り組んでまいります。

要望

施設の共同利用について、ご提案をいただきましたが、せっかくだからキングスカイフロントの研究機関の相互利用、データの共有、人材交流も図られるよう、もちろん最先端の研究ですからすべてというわけにはいきませんが、川崎市と連携して殿町全体のルール作りをしていただければ、と思います。

また、最初に進出した実験動物中央研究所の野村理事長は、「とにかくお金がかかった」と、またナノ医療イノベーションセンターの片岡センター長は、「あまりに書類が多すぎて困った。」と言っていました。こういうことを県がサポートできれば、と思います。