公明党神奈川県議団

ホーム所属議員 重点政策 活動リポート ニュース 本会議 常任委員会 特別委員会 ご意見・ご要望

県立がんセンターの患者・家族支援について

渡辺 ひとし議員(藤沢市)

質問要旨

がんセンターでは精神腫瘍科を設置し、患者の心のケアを行っているが、全国には「家族・遺族外来」等を設置している病院もあり、がんセンターも、家族や遺族への精神面での支援を充実すべきである。また、患者や家族の相談を受け止める体制も必要であり、がんセンターでは患者支援センターで相談を受けているが、相談員を配置し、専門家に患者からの相談を繋いだり、インターネットテレビを整備している病院もある。がんセンターは信頼回復に向け、患者や家族の目線に立った取組を行うべきであり、それらの取組や現状の体制充実を更に図るためにも、人材確保や増員のための支援拡充が必要と考える。

 そこで、県立がんセンターにおいて、患者や家族への精神的な支援や、相談体制の拡充など、患者・家族支援にどのように取り組むのか、また、こうした取組に対する今後の支援の拡充をどのように考えているのか、併せて所見を伺いたい。

知事答弁

がんは、依然として死因の第1位であり、治療期間も長期に渡るため、医療面の充実はもとより、患者や家族に対する相談や、精神的な支援の取組は、大変重要です。
 このため、がんセンターでは、患者への精神的な支援として、精神科の医師や、精神看護を専門とする看護師、いわゆるリエゾンナースが、主治医と連携して、患者の心の問題をサポートしています。
 平成28年度は、300人を超える多くの新規患者に対応したところであり、今後は、家族も対象に含めるなど、支援の充実を図っていく必要があると考えています。
 また、がんに関する総合的な相談対応として、看護師やソーシャルワーカーが、治療や生活に関する問題や心配事について、がんセンターの患者か否かを問わず、電話や対面での相談に広く応じています。
 がんと向き合いながら社会生活を送る患者が増える中、「がん診療連携拠点病院」であるがんセンターが、患者や家族への精神的な支援や、がんの相談体制を充実していくことは、大変意義のあることです。
 一方、その実現のためには、精神腫瘍医などのがん医療における心の問題を専門的に扱う人材の確保や、幅広い分野の専門家とのネットワークの構築など、様々な課題がありますので、中長期的な取組が必要です。
 そこで、がんセンターでは、今後、患者や家族のニーズを的確に把握した上で、効果的に事業を展開していくための方策を検討することとしています。
 県としては、がんセンターの検討結果を踏まえ、患者や家族への支援の充実に向け、どのような対応が考えられるのか、病院機構と検討してまいります。

再質問

がんセンターでは、患者の心のケアを行うため、「精神腫瘍科」を設置していますが、そもそも「精神腫瘍科」という名称が、専門的でわかりづらい名称だと思います。
 名称を工夫するなど、患者に広く知ってもらうための取組みが必要と考えますが、知事の考えを伺います。

再質問への知事答弁

「精神腫瘍科」という名称は、がんに伴って生じる精神的、心理的な苦痛の軽減に取り組む「精神腫瘍学」に由来するものですが、比較的新しい分野であるため、まだ十分に知られていません。
 治療の進歩により、がんと共に生きる期間も長くなっています。患者ニーズもさらに多様化し、心のケア、これを必要とする方も増えると考えられますので、より多くの方が気軽に相談できるよう、名称の工夫などについて、がんセンターに投げかけてまいります。