公明党神奈川県議団

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盲ろう者の支援について

西村 くにこ議員(川崎市川崎区)

質問要旨

盲ろう者は、日常の生活において、移動や情報収集・発信、コミュニケーションなど、様々な困難を抱えているが、本県は安心して相談できる体制の整備など、まだ不十分と言わざるを得ない。
 東京都盲ろう者支援センターは、交流や学習の場として活用されるとともに、盲ろう者からの日常生活や福祉サービスの利用に関する相談対応や国内外の盲ろう者に関する情報提供などを行っており、その運営は、盲ろう者当事者が参画しながら行っていた。
 障害者権利条約の「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」という考え方からも、このように、情報の収集、発信が難しい盲ろう者の支援を、当事者が参画し、行っていくことは、大変重要である。

 そこで、今後、本県でも盲ろう者支援センターの設置を見据えて、盲ろう者への支援を充実していくべきと考えるが、盲ろう者支援について、現在の検討状況と、今後の進め方について、所見を伺いたい。

知事答弁

盲ろう者は、障がいの程度や障がいに至った経緯が一人ひとり違い、コミュニケーション方法や必要とする支援の内容も様々です。
 県では、こうした盲ろう者の方々を支援するため、通院や余暇活動等により外出する際に、同行してコミュニケーションを支援する「通訳・介助員」を300人以上養成し、盲ろう者の方々の求めに応じて派遣を行ってきました。
 そうした取組みを進めているものの、盲ろう者は、どのような支援が必要かを自ら訴えることが難しいため、結果として、支援を受けることなく、孤立しがちな方もいます。
 そこで、それぞれの方に適したコミュニケーション方法で的確にニーズを受け止め、必要な支援につなげるための専用の相談窓口を設置することが必要と考えています。
 そのため、県では、現在、県内の盲ろう者の数、一人ひとりの生活の状況、必要とする支援などの実態を把握するための調査を、市町村を通じて行っています。
この調査結果に基づき、今後設置する予定の相談窓口の体制などについて、しっかりと検討していきます。
 検討に当たっては、盲ろうの当事者や関係団体から丁寧に意見を伺いながら、進めていくことが大切です。
 これまでも、当事者団体からは、「盲ろう者の総合的な支援拠点を設置してほしい」、「通訳・介助員のスキルの維持向上を図ってほしい」などの要望をいただいていますので、今回の調査結果を踏まえて、さらに意見交換を行っていきます。
 県としては、まずは、盲ろう者が安心して相談できる専用窓口をできる限り早期に設置するとともに、通訳・介助員の資質の向上を図るなど、支援策の具体化を進め、盲ろう者の方々がその人らしく暮らすことができる地域社会の実現に努めてまいります。

再質問

現在行なっている調査結果は、いつ頃まとまりますか?
 相談窓口の設置についても、いつを目途に設置されるのでしょうか?

再質問に対する知事答弁

現在、市町村に調査をお願いしています。
調査の期限をいったんは区切ったのですが、市町村から、一人ひとりの状況を把握するために、時間が欲しいと要請されている。
丁寧に状況を把握したいと考えており、現時点で、いつ結果がまとまると、お答えできないことを、ご容赦願いたいと存じます。
相談窓口の設置の時期についてです。
相談窓口の設置につきましても、同様で、皆様の状況が分かって、どこに、どれぐらいの機能のものを設置すればよいかということを、当事者の皆様のご意見を伺った上で、決定していきたいと考えているため、時期もお答えできません。
これからの検討を行っていきたいと存じます。

要望

できれば、いつまでという目標を、せめて設定していただきたかったと思います。
 これは、本日、傍聴にお越しいただいており、先ほど知事からご答弁いただいたが、それぞれの方のコミュニケーション方法も違っています。
 手話を行う通訳者の手に触れる触手話を解される方もいらっしゃれば、盲ろう者の指を点字タイプライターのキーにみたて直接打つ指点字、あるいはパソコンを用いる文字筆記、本日は補聴器のマイクに向かって話す音声通訳を利用されている方もいらっしゃいます。
 こういった、様々な状況を把握するのは、困難かと思うが、丁寧に、しかし、迅速に行っていただくよう要望します。