公明党神奈川県議団

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県立社会教育施設における障がい児者への取組について

西村 くにこ議員(川崎市川崎区)

質問要旨

美術館や博物館などの社会教育施設では、利用者は他の方の迷惑にならないよう、静かに鑑賞することが一般的であるため、障がいのある児童の保護者や引率者は、利用に心理的抵抗を感じているのではないか。イヤホン等を利用すれば、気兼ねなく鑑賞等できることから、県立社会教育施設においてもIT機器を活用した取組も展開すべきと考える。
 本県は、「ともに生きる社会かながわ憲章」を定め、障がい者の社会参加を妨げるあらゆる壁をなくすことを謳っているため、県立の社会教育施設においては、健常者だけでなく、障がい児者が気軽に利用できるようにしていくことが重要と考える。

 そこで、障がい児者が、県立の美術館や博物館、図書館を利用しやすくするために、どのような取組を行っているのか、また、今後どのように取組を充実させていくのか、所見を伺いたい。

教育長答弁

県民の誰もが、生活の中で、価値ある文化財や素晴らしい絵画などに親しむことができる場を提供していくことは、県立の社会教育施設の大きな役割です。
 例えば、博物館では、土器や化石、動物のはく製などに直接触れることができる展示や、また、図書館では、司書が、視覚に障がいのある利用者と対面して朗読するなどの取組を行っています。
 
 一方で、社会教育施設の中には、金沢文庫のように国宝等、直接触れることができない作品を中心に展示している施設もあります。
 また、静謐な環境の下での鑑賞等を望まれる利用者もおり、こうしたことを考慮し つつ、障がいのある方の利用を促進していく必要があります。
 そこで、歴史博物館で導入した、展示物の解説などをイヤホンで聞くことができるスマートフォンアプリを、弱視など視覚障がいのある方にもご利用いただくために、学芸員がより詳しく展示物を解説するなどの工夫、改善を検討していきます。
 また、博物館において、特別支援学校の児童・生徒も、のびのびと鑑賞できるよう、訪れた人全てが、自由に会話しながら、展示物を鑑賞できる日を、仮称ですが、オープン・コミュニケーション・デーとして設定することや、近代美術館で、利用者が共に鑑賞し、語り合うワークショップの開催なども検討したいと考えています。
 今後も、障がいのある方が、より一層、県立の社会教育施設を気軽にご利用いただけるよう、サービスの改善や、利用者相互の理解促進を図るなど、共生社会の実現に向けた取組を充実してまいります。