公明党神奈川県議団

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二枚貝養殖による水産業の振興について

谷口 かずふみ議員(大和市)

質問要旨

本県の海での養殖業は、海藻養殖を除き、あまり行われていないが、本県の漁業生産量が低迷している中、天然の魚介類を獲るだけではなく、人の手により育て出荷する養殖業の振興は、SDGsの目標の一つの達成にもつながる取組であると考える。また、天然資源に依存する漁船漁業は、安定した生産が困難であり、養殖業は農業のようにある程度計画的な生産ができると考える。
 先日、真鶴町で県内初の生食用カキの出荷に向けた体制づくりについて新聞報道があったが、首都圏という立地を生かし、カキなどの二枚貝養殖を県内の沿岸全域で振興することにより、本県の水産業を活性化できないかと感じた。また、二枚貝養殖の普及により漁業経営が安定すれば、漁業の担い手の確保にも繋がると考える。

 そこで、本県の漁業経営安定と水産物安定供給のため、カキなどの二枚貝養殖による水産業の振興について、所見を伺いたい。

知事答弁

漁獲量が落ち込む中で、養殖は計画的な生産が可能であることから、漁業経営を安定化させるとともに水産物の安定供給にもつながります。
 このため、県は、平成28年3月に改定した「かながわ水産業活性化指針」において、海面での養殖生産量の拡大を目標の一つに掲げています。
 中でも、二枚貝養殖は、赤潮や貧酸素水塊の発生原因となるプランクトンを餌として取り込むことから、水質浄化の効果も期待できます。
 そこで、県では、水産技術センターを中心に、二枚貝養殖に取り組む漁協に対する技術指導などを行い、その普及に努めてきました。
 具体には、横須賀市内の漁協では、平成21年からマガキの養殖試験に取り組んだ結果、安定的に生産できる体制が整い、今年度から本格的にマガキの生産・販売を事業化する予定です。
 このほか、横浜市内の漁協では、ホタテガイやトリガイの養殖試験に取り組んでおり、また、真鶴町では地域が一体になって生食が可能なイワガキの出荷を目指した取組みも行われています。
 このように、県内では、二枚貝養殖の取組みが広がりつつありますので、食品としての安全性をしっかりと確保するための取組みも必要です。
 そのため、県では、貝が毒化する原因となるプランクトンの監視や、出荷前の貝が毒化していないことを確認するための検査を実施しており、さらに、規制値を超えた場合の出荷を自主規制する体制も構築しました。  本県における二枚貝養殖は歴史が浅く、生産規模も大きいとは言えませんが、大消費地に近いという強みがあります。  また、「湘南しらす」のようなブランド化も期待できますので、本県水産業の一翼を担えるように振興を図ってまいります。