公明党神奈川県議団

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盲ろう者支援センターの設置について

西村 くにこ議員(川崎市川崎区)

西村議員質問

 我が会派では、「盲ろう者支援センター」の設置について、昨年、本会議や予算委員会において、実現に向けて繰り返し取り上げ、知事からは、平成31年度のできるだけ早い時期に設置したいとの答弁があった。
 その後、県は、センターの設置場所など、盲ろうの当事者団体と継続的に話し合いを行ってきたところであるが、移動に困難を抱える盲ろう者に配慮し、多くの方々に相談窓口を利用してもらうためには、交通の便の良い場所に相談窓口を設置することが求められる。
 また、周知についても、情報収集が困難な盲ろう者には、センターが設置されたという情報自体が届かないことも考えられることから、最善を尽くして細やかな周知を行うことが求められる。

そこで、盲ろう者支援センターの開設に向け、県としてどのように取り組んでいくのか伺いたい。

知事答弁

 視覚と聴覚の両方に障がいがある盲ろう者の中には、コミュニケーションが困難なため、地域から孤立している方がいることも考えられますので、こうした方々が必要なサービスを受けられるようにすることは大変重要です。
 そこで、県では、盲ろう者を支援するため、一人ひとりのニーズに寄り添った相談や、コミュニケーションを支援する通訳・介助員の養成・派遣を行う、支援センターの設置に向けて、昨年9月から、当事者団体との意見交換を行ってきました。
 この意見交換の場で、相談窓口は、盲ろう者が最も多く居住し、交通の便の良い横浜市内に設置して欲しいというご意見をいただいており、盲ろう者の利用しやすい相談体制とすることが必要です。
 また、情報収集が難しい盲ろう者にも、センターについての情報が届くよう、周知を図っていくことが重要です。
 そこで、センターの相談窓口については、今年9月末までに、藤沢市内の聴覚障害者福祉センターに加え、横浜市内の横浜合同庁舎にも設置し、週6日間、いずれかの窓口で、相談を受け付ける体制を整えます。
 また、通訳・介助員の養成・派遣については、引き続き、聴覚障害者福祉センターで実施します。
 さらに、センターの周知については、当事者団体や医療機関、市町村などにチラシを配布し、ご家族や支援者を通じて、情報が届くようにしていきます。
 こうした取組に加え、センターの運営においては、当事者のかかわりが重要ですので、当事者からの意見を伺う場を設置したいと考えています。
 県では、今後も、当事者から意見を伺いながら、より多くの方に利用していただける盲ろう者支援センターを設置・運営することで、盲ろう者が安心して暮らすことのできる地域社会づくりを、しっかりと進めてまいります。

要望

 「9月末までに」という答弁をいただいた。この背景として、実は専門的に盲ろう者の支援をできる方が、なかなかいらっしゃらないという問題があることを漏れ聞いている。より具体的に盲ろう者の方々が抱えた課題に向き合う、あるいは対応できる方の確保は、とても重要なポイントとなってくると思う。盲ろう者支援センターを設置しようという時に、実は県内でこういう経験のある方をと呼びかけたが、そもそも盲ろう者支援センターは、東京都、兵庫県、鳥取県以外に、初めて神奈川県でできるが、県内で経験のある方となると、なかなか集まらないのではないかと懸念をしていた。今後は、より広く見地を持った方を、神奈川県の盲ろう者支援センターのために募集をかけていただけたらと思う。
また、盲ろう者の中には、視覚、聴覚のいずれかに障がいのある方が、加齢であるとか、病気、事故により盲ろう者となった方が多くいらっしゃる。そういった方が盲ろう者となった時に、すぐに支援を受けることができるように、視覚、聴覚、こういった障がいの方たちにも、事前に盲ろう者支援センターについて情報提供をすることを配慮していただきたい。もっと言えば、100歳時代である。年齢ととともに、見えづらさ、聞こえづらさを感じている方も多いと思うが、盲ろう者の方々が感じている課題が、この100歳時代を支える貴重なご意見、視点にもなるのではないかと思うので、活用していただくようお願いする。
もう一つ、今回の統一地方選挙の際に教えていただいたのが、通訳・介助員の方は、投票所まで同行できるが、代筆はできないそうである。現行の公職選挙法では、選挙人(投票所で働いている方)が選ばれて、通訳・介助員の方に、意思確認の方法をその場で教わって、代筆をするように決められている。知事もお分かりのように、突然聞いてできるわけがない。国の法令ですら、こうなので、多くの方々が盲ろう者の方々にどのように接したらよいのかということを、あまり認識をできていないということが現実問題としてあると思う。正しい知識と心のバリアフリーの意識啓発を行っていただくようお願いする。