公明党神奈川県議団

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低出生体重児のための母子手帳について

西村 くにこ議員(川崎市川崎区)

西村議員質問

 厚生労働省によると2019年に生まれた低出生体重児は81,462人に上る。低出生体重児の場合、母子健康手帳に記載されている平均的な身長、体重に届かず、親が子の成長を実感できず、不安で落ち込んでしまうケースも少なくないと伺っている。静岡県では、小さな赤ちゃんを産んだお母さんのための母子手帳、しずおかリトルベビーハンドブックを作成しており、いくつかの府県でも取組を進めていると承知している。
 本県においても、全てのお母さんが希望を持って育児に取り組める環境整備のひとつとして、我が子の成長を実感できる工夫が盛り込まれた冊子が必要だと考える。

 そこで、切れ目のない支援のツールとして、本県でも低出生体重児のための母子手帳「リトルベビーハンドブック」の発行に取り組むべきと考えるが、所見を伺いたい。

知事答弁

 次に、低出生体重児のための母子手帳について、お尋ねがありました。
 本県では、2019年に2,500グラム未満の低体重で生まれた子どもの数は約6千人で、出生数全体の約9.5%となっています。
 本県は、すべての子どもが健やかに成長できる社会を目指しており、低出生体重児を安心して産み育てられる環境を整えていく取組は、大変重要です。
 母子健康手帳の配付などは市町村が担っていますが、県は、市町村の母子保健担当者を対象に、低出生体重児の親を支援するために必要な専門知識に関する研修などを実施しています。
 また、県立こども医療センターでは、新生児集中治療室を退院した子どもの親などへ情報発信するために「早産児の育児応援サイト」を開設しています。
 本年4月からは、1,500グラム未満で生まれた低体重の子どもの医療情報を、マイME-BYOカルテを通じて親などが閲覧できる実証事業も始めています。
 さらに、県は、市町村と連携して、母子健康手帳の電子版アプリを2016年に導入し、県内の妊産婦の皆様に利用を促しています。
 このアプリは、お住まいの自治体の妊娠・子育て情報のほか、予防接種の記録や発育曲線の確認ができるつくりとなっており、現在、4万人にご活用いただいています。
 こうした取組に加え、さらに、子ども一人ひとりに寄り添う個別の支援を進めていくには、議員ご提案の「リトルベビーハンドブック」の取組は、非常に有意義であると認識しています。
 そこで、「リトルベビーハンドブック」の作成について、まず、親や、産科・小児科の医療従事者など、関係者のネットワークづくりを進め、市町村などの意見も伺いながら、検討を開始してまいります。
 今後も、親や家族の不安を解消し、安心して子育てができるよう、気持ちに寄り添う支援を進めてまいります。

要望

 「低出生体重児のための母子手帳について」、本当にありがとうございます。
 この質問をするにあたっては、県内でリトルベビーを出産されたママたちから直接声をいただいて、手紙をいただいて質問をさせていただきました。本日もインターネット議会中継で見守ってくれています。きっとみんな喜んでいると思います。
 デジタル母子手帳の意義、私も認めます。これまでも推奨してまいりました。入力いただいたデータは、今後個々人で利用するだけではなく、これから生まれてくるリトルベビーのためにも重要な医療データとして活用されると承知しています。
 でもどうぞ、言っていただいたように、紙ベースの「リトルベビーハンドブック」も並行して進めていただきたいとお願いをします。お母様方一様におっしゃるのが、出産直後に最初に出た言葉が「ごめんなさい」だったそうです。「小さく生んでごめんなさい」。スマートフォンなどからネットにつながって、より不安になるような情報に触れたらどうしよう、そんな思いでスマートフォンを開けられなかったという話も聞きました。
 例えば、紙ベースの「リトルベビーハンドブック」をNICUの医師や看護師から説明を受けながら受け取る、寄り添っていただきながら子どもの成長をともに書き込む、こういうことを望んでいらっしゃるわけでありまして、また知事も言っていただいた、今後はつくる過程が重要、ママたちの、そしてまた医療関係者の、あるいは福祉の、ネットワークを構築しながら、ていねいに進めていただけますよう、要望をさせていただきます。