公明党神奈川県議団

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がん対策について

渡辺 ひとし議員(藤沢市)

渡辺議員質問

 重粒子線治療施設i-ROCKは、平成27年に開設され、先進医療ではあったが、順次、保険適用の範囲が拡大され、現在では県立がんセンターでの重粒子線治療の約9割が保険適用となった。しかし、保険適用の拡大は十分に知られておらず、ホームページでの周知や県内の連携拠点病院にある、がん相談窓口等との情報共有に努めるべきである。
 また、第5のがん治療法ともいわれる「光免疫療法」は、がんの転移が進み、治療が困難とされる場合にも有効であり、県立がんセンターにおいても、今後は光免疫療法に積極的に取り組むべきである。
 加えて、県立がんセンターでは、ウィッグの無償貸与を紹介しているが、貸与ではなく購入を希望する患者も多くいることから、他県の例を参考に本県でも購入費用に対する助成を行うべきと考える。

 そこで、一人でも多くのがん患者を救うため、県立がんセンターを中心にどのように、がん対策を進めていくのか、所見を伺いたい。

知事答弁

 がん対策について、お尋ねがありました。
 がんは、いまや生涯で2人に1人がかかる病気と言われていますが、最近のがん医療の進歩により、早期発見・適切な治療で、治る病気となってきています。
 これまで県立がんセンターでは、がん医療の進歩に応じ、最先端の高度専門医療を提供してきました。
 まず、重粒子線治療については、平成27年の開始以来、昨年度までに約2,200人の治療を行ってきました。
 加えて、保険適用の拡大については、全国の重粒子線治療施設との共同研究に参加し、治療効果の科学的根拠を積み重ねる取組を進めてきました。
 しかし、重粒子線治療における保険適用の範囲が拡大したことについては、さらなる周知が必要であると認識しています。
 そこで、県では、今後、がんセンターとともに、重粒子線治療の保険適用拡大について、ホームページ等を活用し、県民への周知を強化していきます。
 さらに、県内のがん診療連携拠点病院等が集まる協議会において情報共有し、がん患者へ適切な情報提供を行っていきます。
 次に、光免疫療法については、現状、がんセンターにおける治療実績はありません。
 しかし、治療が実施できる施設としての要件は既に整えており、今後、対象となる患者に、治療を開始する予定です。
 治療の一方、患者への支援として、アピアランスサポートセンターにおいて、外見上の悩みなどの相談を受けており、スキンケアの指導や、化粧教室などを実施しています。
 また、治療による脱毛については、無償でウィッグを貸与している「夏目雅子ひまわり基金」を県ホームページなどで案内してきましたが、ウィッグは自分専用のものを使いたいという声もあります。
 このため、ウィッグの購入費用の助成について、引き続き、国に要望していきます。
 こうした取組を通じて、患者が自分らしく日常生活を送りながら、安心して適切な治療を受けることができる環境を整えてまいります。

渡辺議員再質問

 がん対策について伺います。重粒子線治療による保険適用部位の範囲が拡大したことで、具体的に、どの程度、負担が軽減したのか伺いたいと思います。
 また、重粒子線治療の負担軽減が進んでいることについて、周知を図る必要があると思いますが、どのように取り組んでいくのか、併せて御所見を伺いたいと思います。

健康医療局長再質問への答弁

 保険適用外のがんの場合、治療費の350万円が全額自己負担となりますが、この4月に保険適用となった肝臓がんでは、治療費は237万5,000円となり、自己負担額はその3割の71万2,500円となります。
 さらに、高額療養費制度を使えば、年齢や所得に応じて、患者の負担はさらに低くなります。
 例えば、70歳以上で年間の課税所得が145万円未満の場合、治療費の実質的な自己負担額は約6万円になります。
 そして、このように負担軽減となることについて、がん診療連携拠点病院等の相談支援センターで、積極的に患者への周知を図っていただくよう、お願いしてまいります。

要望

 私もこの質問をするにあたって、今のがんの様々な取組を勉強させていただきましたが、私もそこまで負担が軽減されている実態を知りませんでした。
 しっかり、各連携拠点病院の相談窓口等との連携をしていただき、さらにはそういう医療がしっかり活用できるように、要は連携拠点病院の医師の方々にもそのような情報を提供していただいて、取組を強化していただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。

 がん対策について3点ほど質問をさせていただきましたが、ウィッグの購入支援についても再度要望させていただきたいと思います。
 私の質問の中で、これについても、購入費補助をやっていない都道府県はたくさんあります。
 しかしながら、質問の中で私は愛知県という表現をさせていただきました。愛知県の規模感からすると、この神奈川県に非常に近い県だと思います。そのような県が実施している制度の拡充をしっかりお願いしたいと思いますし、実際に県内の市町村もこの取組をやろうとしております。是非とも検討願いたい。このことを要望させていただいて私の質問を終わります。