公明党神奈川県議団

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揚水発電所の意義を踏まえた今後の有効活用について

亀井 たかつぐ議員(横須賀市)

亀井議員質問

 揚水発電は、電力需給ひっ迫時はもとより、太陽光発電の普及に伴い、電力余剰時に再生可能エネルギーを適切に調整するといった新たな役割が注目されている。揚水発電の重要性が高まる中、城山発電所は建設から約60年が経過し、老朽化が懸念されるが、発電規模が大きいため、老朽化対策費用は県営電気事業の経営に影響があるものと考える。
 国では、揚水発電所の重要性を鑑み、支援策を検討しており、県は、こうした動きに歩調を合わせ連携し、城山発電所が引き続き重要な役割を担えるよう、更なる取組に期待している。

 そこで、電力自由化の中、全国の公営電気事業者で唯一神奈川県だけが運用する揚水発電所である城山発電所を、わが国のエネルギー施策において重要な役割を担う存在として、持続的に活用していくために、今後、どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

企業庁長答弁

 城山発電所は、全国の公営電気事業の中で唯一の揚水発電所であり、電気の使用が少ない夜間や、太陽光発電等の電力供給が需要を上回る際の余剰電力を使い水を汲み上げておき、電力ひっ迫時に速やかに大出力で発電するなど、「巨大な蓄電池」とも言える調整機能を有しています。
 昨年3月の「電力需給ひっ迫警報」や、その後の注意報の発令時には、頻繁に発電を行うことで、セーフティネットとしての役割を果たしました。
 こうした重要な役割を担う揚水発電ですが、他の発電と異なり、緊急時以外の運用が限られ、収益性が乏しい上に、維持管理には莫大な費用がかかるという経営面での課題があります。
 そのため、県は本年度、国に対し、揚水発電所の収益改善に向けた方策の検討や維持管理・更新等に対する支援制度の創設を要望してきました。
 そうしたこともあり、今般、国では、緊急時以外における運用を容易にするための制度見直しが行われました。また、維持管理コストに対する新たな補助制度に加え、将来の発電力確保の対価として大規模改修に必要な資金が得られる「新たな市場」のスキームもつくられました。
 このことにより、建造から58年経過した城山発電所においても、新たな市場からの資金や国の補助を活かしてリニューアルを図りつつ、活用の幅を広げていくことが可能となりました。
 今後県は、国庫補助の獲得や全面リニューアルに向けた計画の策定、新市場への参入戦略の検討を進めていきます。また、令和6年度からの次期売電契約に向けたプロポーザルの中では、揚水発電の新たな利活用方策について小売電気事業者から積極的に提案していただき、その実現をめざしていきます。
 城山発電所は、平常時の利活用次第では、将来のエネルギー政策の一翼を担い得る重要な施設です。いかなる用途にも耐え得る持続可能な施設に再整備し、今後も県民の皆様の「いのち」を支えてまいります。