公明党神奈川県議団

ホーム所属議員 重点政策 活動リポート ニュース 本会議 常任委員会 特別委員会 ご意見・ご要望

京浜臨海部団視察

訪問日付:平成23年9月6日
実験動物中央研究所

実験動物中央研究所

京浜臨海部(川崎市殿町3丁目)に今年、新たな研究所を開設した公益財団法人「実験動物中央研究所(実中研)」を視察した。
初めに、実中研の野村 龍太副所長から、この研究所が1952年若き医学者野村達次が中心となり創設された。その目的は医療・医学の発展のためには、そのインフラである実験動物が必要。そして、実験動物は「良い実験をするには良い実験動物が要求される。しかし当時の日本には質量ともにそうした実験動物が皆無。その状況の中、野村達次が医学者という立場を捨てて、実験動物生産業者に成りきって、この問題解決に全力を挙げた旨、話があった。

これまでの道のりは平坦ではなかったが、常に挑戦心をもって新領域を開拓してきたとのこと。
併せて実中研として

  1. 高品質で均質かつ再現性のあるヒト化実験動物の開発
  2. 生きたモノサシとして、実験動物を用いたヒトの病気の研究と解明を通じて、医療の発展と人々の健康・福祉の向上を目指しているとの話があり早速、実験現場を案内していただいた。

実中研が世に出した世界に一つだけの動物はポリオマウス。

ポリオマウス

人とサルにしか存在しないポリオウイルス受容体を組み込んだマウス。現在、WHOの世界ポリオ撲滅プログラムの正式検定動物として採用。日本のポリオ研、FDA、WHO、との15年かけて共同開発により、その実用化に成功。アカゲザルからポリオマウスへ置き換えられたことにより、動物愛護、経費削減に貢献。

NOGマウス

超免疫不全マウス、免疫が無いマウスのこと。人間の血液、がん細胞、免疫系、臓器などが、このマウスの中で人間の細胞や組織が人間の体内と同じように生育する。それにより、がん、白血病、内臓疾患、エイズなどの人間の病気のより直接的な治療法研究が可能になる。

rashH2マウス

短期発がん性試験用マウスのこと。現在FDAの全面支援の下、がん原性試験の世界標準試験として全世界の新薬開発に多大に貢献。このマウスのみで年間25,000匹が使われる。

規格化マーモセット(コモンマーモセット)

実験動物として規格化された世界最初の霊長類。その業績が認められNature誌の2009年5月29日号に掲載され、その表紙を飾る。遺伝的統御、微生物学的統御から薬物投与モデル、物理的モデルを通じて、パーキンソン病、筋ジストロフィー症、筋委縮性側索硬化症(ALS)などの人間の高次機能に関わる疾患研究に役立つことに。中でも一度、損傷を受けた成人哺乳類の中枢神経系(脳、脊髄)は再生しないと言われ、日本の患者数約十万人、毎年約5,000人の発生率といわれ、不治の病と言われている脊髄損傷に臨床応用への道が開かれる可能性を拓いた。

視察の最後に、野村副所長から、我が国のハブ空港として期待が高まる羽田空港に隣接し、内外からのアクセスが非常に良い好立地にあるこの研究所では、先進領域の医学研究者をはじめ、製薬企業・医療関連企業・食品関連企業・ベンチャービジネスなど、様々な分野の方々と共に新たな産業基盤技術の創造を目指し、我が国の競争力の向上に貢献していきたいと抱負が語られた。

(以下、CIEAのホームページから引用)
具体的には、以下の役割が担えるよう、実中研はこれからも研究・活動にまい進するそうだ。