公明党神奈川県議団

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平成22年第1回定例会にて代表質問を行いました。

小野寺 慎一郎 議員(横浜市旭区)

財政問題について

平成22年度当初予算案を発表した翌朝の各紙の報道では、県債発行額が過去最大の3,436億円、残高も過去最高の3兆3,533億円に膨らんだことが大きく取り上げられた。
3,436億円も県債を発行すれば、環境農政局の予算にも匹敵するような予算が毎年、借金の返済に使われることとなり、その分、他の施策を圧迫していく。そこで、有効活用できないかと考えるのが、県債管理基金である。借替えのタイミングで、計画的に借替債を抑制したり、基金の運用を、県債の借入金利に近づけるといった努力を怠ってはならない。
22年度当初予算では、県債発行額、県債依存度、県債残高とも、過去最高を記録したが、このままでは、将来の子や孫の世代に大きな禍根を残すことにもなりかねない。本県独自の取組みとして、残高及び利子負担の減少に向けて、どう取り組まれていくのか、所見を伺いたい。

住宅問題について

(1) 民間住宅の耐震化促進について

1月に発生したハイチの地震では、犠牲者の多くは倒壊した建物の下敷きになったと見られ、まさに「住居の貧困」によって被害が広がった。阪神・淡路大震災でも、低所得者など、耐震性の低い古い木造住宅に住む「社会的弱者」ほど犠牲者が多く発生した。
県では民間住宅の耐震化促進のため、市町村に対する財政的支援の実施や地域住宅交付金の活用支援を推進するとしているが、これまでの実績について伺いたい。
また、民間住宅のより一層の耐震化を進めることが重要と考えるが、今後、どのように耐震化を進めようとしているのか、併せて所見を伺いたい。

(2) 住宅セーフティネットの構築について

平成18年6月に成立した「住生活基本法」は、国、地方公共団体ならびに民間の住宅関連事業者が主体となり、良質な住宅ストックを形成し、それを将来世代に継承することや、そのために市場メカニズムを十分に活用することなどに重点が置かれている。自力で居住の改善を図れる人ばかりであれば、市場メカニズムの活用も有効だが、低所得層など自力で居住を確保し、または居住水準の改善を図れない人々には公的な援助が必要であり、その第一は公営住宅の供給である。
また、わが国と欧米先進国の住宅事情を比較すると、わが国の借家の平均住宅床面積は米国の4割、英独仏3国の6割に過ぎない。このような、最低居住水準を満たさない住宅の解消を早急に図っていくべきである。
そこで、低所得者など「住宅弱者」や、安定した住まいを持たない人々の住宅セーフティネットをどのように構築していくのか、所見を伺いたい。
また、県として最低居住水準未満世帯の解消に対しどのような目標と計画を持っているのか、特に、県営住宅の居住水準を向上させた上で数多く供給することが有効と考えるが、併せて所見を伺いたい。

(3) 県営住宅ストック総合活用計画の見直しについて

私の地元で、平成22年度に着手されるはずだった県営住宅の建替え事業が「凍結」となった。極度の財源不足の中で、新規事業は見送らざるを得ないというのがその理由である。住民は、老朽化による不都合も辛抱しながら生活しているが、果たして「凍結」は1年で解けるのだろうかと不安を募らせている。
「県営住宅ストック総合活用計画」の後期計画期間も県の財源不足は続く見込みである。現在の社会経済状況から、県営住宅の整備を求める県民の声はますます高まるものと思われるが、どのように「県営住宅ストック総合活用計画」を見直すつもりなのか、所見を伺いたい。

教育問題について

「志」と学習意欲には密接な関係がある。「自分はこういうことをして社会の役に立ちたい」という「志」を、すべての子どもたちが持ち続けられるような、そういう教育こそ神奈川の公教育に求められている。
「かながわ教育ビジョン」を見ると、まさしく「志」を育む教育を目指していると思われるが、その内容は抽象的で、どのように「志」を育む教育を推進していくのかという具体像が分かりにくい。
そこで、将来の神奈川を担う人づくり、人や社会に尽くすために自らを向上させようとする「志」、すなわち大志というものを育む教育を、具体的にどのように進めていくのか、所見を伺いたい。

障害者福祉ついて

(1)かながわ障害者地域生活支援プログラム大綱に基づく取組みについて

在宅重度障害者等手当の見直しについては、見直し財源19億円のうち、16億円を「かながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱」に基づく取組みに活用するとのことであったが、22年度予算での見直し財源活用額は、10億円に止まったとのことである。
豊富なメニューが既存事業にある中で、新規事業を措置したことは一定の評価をするが、例えば、「神奈川県障害福祉計画(第2期)」で、約1,600人分の確保が求められている障害者グループホームがなぜ増えないのか、その要因を分析し、薄撒きに事業を増やすのではなく、「課題の明確化」と「課題に対する重点配分」をより図っていくべきである。
そこで、地域生活支援プログラム大綱の中でも注目される「グループホーム等の設置促進」「レスパイトケアの充実」「権利擁護」の施策推進のために、一番の課題は何で、それに対してはどのような施策が一番有効と考えられているのか、また、財源を10億円しか活用していないのであるから、それらの事業に、今後、より上乗せを図っていってはいかがと考えるが、所見を伺いたい。

(2) 障害者地域生活支援事業について

市町村統合補助により賄われる地域生活支援事業には、幅広く、そして障害者にとってなくてはならないベーシックな支援事業が網羅されているが、この事業は、統合補助金化されたことに伴い、必要額が十分に措置されていないため、通学支援などの支援が十分に行われていない現状がある。国においても、今年度以降は、これまでの不透明で不十分な配分から、前年度実績に応じた配分とすると聞いているが、初年度は、市町村が独自の財源を持ち出して実施しなければならない。これに対し、県が新設した補助が「障害者地域生活推進事業費補助」であるが、ボリュームは5000万円弱にすぎず、需要に十分応えることが可能なのかどうか、疑問に感じる。
そこで、今回の「障害者地域生活推進事業費補助」で、どれだけの市町村が移動支援の実施に乗り出すと見込まれているのか、また、この補助のボリュームを、今後もっと増やしていくべきではないかと考えるが、所見を伺いたい。

不適正な経理処理の問題について

  1. 不適正な経理処理の再発を防止するためには、徹底的な原因の究明と、その再発を阻止する仕組み作りが必要不可欠である。システム的な不正防止のためのキーとなるのは「物品納入のチェック」である。翌年度納入にしても、差し替えにしても、預けにしても、物品が正しく納入されたかのチェックがしっかりしていれば起こりようのない事態である。
    また、たとえ、随意契約であっても、発注先が特定の業者に偏っていない。特に「見積もりあわせも不要」とされる少額の随意契約先が特定の業者に偏っていないかなどのチェックは、もはや必須であり、発注が特定の業者に偏らないようにするために、名簿登載業者に対し、順番に見積もりを依頼するようにするなどの仕組みも検討する必要がある。
    そこで、今後の不適正経理発生防止のため、物品納入に当たっての検収の強化、随意契約における業者選定方法の改善を図るべきではないかと考えるが、知事の所見を伺いたい。
  2. 警察本部長にも、同様に、物品納入に当たっての検収の強化、随意契約における業者選定方法の改善についてどのようにお考えか伺いたい。

知事の政治姿勢について

(1) 環境への投資について

松沢知事は、電気自動車に対し最も熱心に先行投資を行なっている知事だと思うが、肝心なのは、その投資が神奈川県民にどのような利益をもたらすかということである。
2013年に量産を目指すEVの開発に34の企業、団体が参加するが、魅力のあるものには、マーケットが反応する。獲得するメリットが想定でき、それを株主に説明できるからこその投資なのである。
また、県主導第三セクターに対する財政的支援の見直しの中で削減率が2.9%と最も低いのが財団法人地球環境戦略研究機関、IGESである。毎年かなりの財政支援を受けている第三セクターでありながら、事業活動などが県行政とどう関わっているかが見えにくい。
そこで、現在行なっているEVに対する投資によって、神奈川県民は、他の県民にはない、どのような利益を得ることが出来ると考えているのか、知事の所見を伺いたい。
また、今後、神奈川県の環境対策や温暖化対策を進めていく上で、IGESの研究成果を地元企業の活動支援などに積極的に活かし、県行政との関わりを見えるように示していくべきと考えるが、併せて所見を伺いたい。

(2) 知事の退職手当について

再選直後から、知事の給与体系が著しく退職金偏重となっており、知事の給与の実態が県民から見てわかりにくいものになっているので、そのバランスを是正すべきであると申し上げてきた。しかし、何ら取り組む気配もないまま、残り任期もあと1年となり、非常に残念でならない。
そこで、22年度予算のキャッチフレーズ、「先進と協働」の気概を持って、一般県民の感覚からかけ離れた高額の退職金を減額または廃止するよう努力をしていただきたいと考えるが、所見を伺いたい。

再質問

住宅問題について

私は今回、住宅問題について様々勉強させていただく中で、強く思ったのは、居住というのは、生活の根本問題だな、ということであります。例えば在宅介護にしても、子育てにしても、いわゆる健康を維持増進させていくことにしても、居住環境と切り離しては考えられないのかな、と思います。
憲法第25条には、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」また「国は、全ての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」とあります。国民の基本的人権としての生存権、そして国の側は生存権の保障義務があるということを謳っているものであると思います。
住宅というのは、この条文のいうところの「健康で文化的な最低限度の生活」これを保障するための必須条件だと私は思います。生存権としての居住権ということですが、最近ではやっと居住福祉といった学問が大学でも行われるようになってきたと承知しています。私は居住権というのは、国民の基本的人権のひとつであると考えますが、知事の個人的な見解で結構ですので、それについてお答えいただきたいと思います。
また、もともと低所得者の方が多い公営住宅ですが、近年では高齢者、障害者の占める割合が大変多くなっています。「公営住宅の施設化」ということが言われています。これは本県の県営住宅でも例外ではありません。私も県営住宅にお伺いする度に、本当に課題の多さ、課題の重さに打ちのめされる思いです。知事は現場訪問の中で、子育て世代の優先入居がスタートしたときに、県営住宅に行かれたと聞いていますが、県営住宅の高齢者や障害者の実情をご視察されたことがあるか、もしあるのでしたら、その際どのような思いになられたのか、教えていただきたいと思います。

教育問題について

教育長に一つお伺いします。
先ほどの志をはぐくむ教育というところで、私は永瀬さんという方の「学んだ知識の量と志の高さは比例する」という言葉を引用して質問させていただきました。学習意欲が大変に高い子ども、また学力の高い子どもがいても、公立の学校というのは、できるだけ取りこぼしのないように平準化というか、全ての子どもたちに一様に均一な教育を提供するのが使命だと思うが、悪く言えば平均点主義でもあります。
そのような学力の高い子ども、意欲の高い子どもに対して、その子どもに合わせた学びの質と量の供給が、公立学校の教育の中でどこまで可能だと教育長ご自身が思っているのか、お尋ねします。

障害者福祉ついて

障害者福祉について改めてお尋ねをさせていただきたいと思います。
初めの質問でも触れましたけれども、昨年6月の厚生常任委員会で在宅重度障害者等手当の見直し財源のうち、16億円を障害者地域生活支援プログラム大綱に基づく取組みに活用するということが示されました。
しかしながら、結局10億円にとどまったということがあります。このようになった経緯について知事がどのように承知しているのか、そのご説明を知事に求めたいと思います。 
特に、昨年6月の常任委員会では、私ども、修正案について審議した際に付帯意見をつけました。これは、この改正が障害者福祉の後退につながることなく、障害者の地域生活の向上に資するものとなるよう、「かながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱」にかかげる施策の速やかな具体化に向けて特段の努力を仰ぐこととしておりますので、知事の16億円から10億円にならざるを得なかった経緯について説明を求めるものであります。

知事の政治姿勢について

次に、知事の退職手当について、今、知事から大変強いご決意をいただきましたけれども、私、相当丁寧にご説明したつもりなのですけれど、何か真意を理解していただいてないような気がいたします。
知事は昨年末、記者会見でご自分は年収の20%カットしているんだというふうにおっしゃいましたけれども、その時に、議員は減額率が低いよと、これは特別職報酬等審議会の言葉を借りてのことだと思いますけれども、この様におっしゃいました。
でも、退職金を年収に振り分けていった時、再計算をすると、減額率が約10%になると思います。
これは、私が申し上げた、県民から見てわかりにくいということの一例だと思うのです。
知事がおっしゃるように、全国と比べてどうということを、私は申し上げているのではありません。神奈川だけの問題だとは思っていません。全国の知事さんとか政令市長さんすべてに渡って共通の課題だと思うんですね。
だからこそ知事には、多選禁止条例の時に示されたようなリーダーシップを発揮していただきたい。この一年間、残る1年間ですけれども、この1年間で、この問題についてしっかり取り組んでいただいて、出来れば、次に知事がお出になるのだとすれば、次の選挙の時のマニフェストにいれていただくぐらいのつもりで、この問題、退職金が異常に高くなるといった給与体系の問題の是正に取り組んでいただきたいというふうに思いますが、知事のご所見を改めて伺いたいと思います。

知事の政治姿勢について(再々質問)

退職金の問題。いろいろな考え方があると。給与と退職金、どういう配分がいいか、いろいろな考え方があるのだから、自分の考え方を押し付けるなと、知事は私に対しておっしゃったように思います。
であれば、知事ご自身は、報酬等審議会の考え方うんぬんということではなくて、いろいろな考え方があるとおっしゃるのであれば、知事はどういうバランスがいいとお考えなのか。
また、もうひとつ。県民の意見を尊重してとおっしゃいますけれども、私が申し上げたように、私の聞くところでは、やはり、4年で4千万というのはちょっとないだろう、という意見の方が多いと思います。知事がどういう方々に話を聞いているのか分からないけれども。
そういう意味で、知事ご自身、報酬等審議会ではありません、知事ご自身が、どういう形が自分は望ましいと思っているのか、それをお答えいただきたいと思います。

要望

住宅問題について

答弁ありがとうございました。知事、是非県営住宅、行ってください。高齢者だけではない、障害者の方々もたくさん生活されています。どんな不自由なことがあるのか、知事の目で直に見ていただきたいと思います。また直に知事の耳で声を聞いて欲しいと思います。また公営住宅だけではなかなかセーフティネット張りきれない、事実だと思いますので、関連施策を様々組み合わせてやっていくのはもっともです。ですから、建設部局だけだと厳しいです。そういう意味では、建設部局と福祉部局しっかり連携して、居住福祉の問題に取組んで頂けるようお願いしたいと思います。

知事の政治姿勢について

今、ある意味で知事からはっきりと、今のバランスでいいという結論をいただきました。今後、それをベースに、また、さまざま議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
さまざま、やりとりをさせていただきましたが、今後、常任委員会等でしっかりと、また細かいところは詰めていきたいと思います