公明党神奈川県議団

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住生活基本計画見直しの取組状況について

髙橋 稔 議員(横浜市港南区)

(1) 住生活基本計画見直しの取組状況について

国は、平成18年6月に制定された住生活基本法に基づき、同年9月に「住生活基本計画(全国計画)」を策定した。本県では、国が策定した全国計画に即して、平成19年3月に「豊かで安全・安心な暮らしを実現する住宅・住環境づくり」を基本目標に掲げ、目標を達成するための4つの基本方向と、公営住宅の供給目標量を定めた「神奈川県住生活基本計画」を策定した。
国では、「住生活基本計画(全国計画)」の見直しに向けて、今年7月、社会資本整備審議会住宅宅地分科会を開催し、計画の見直しを開始し、年度内決定を目指しているとのことである。
本県でも、神奈川県住宅政策懇話会を設置し、昨年度から「神奈川県住生活基本計画」の見直しを開始したと聞いている。
そこで、県における住生活基本計画の見直しにあたって、どのような視点で取り組んでいるのか、所見を伺いたい。

松沢知事答弁

髙橋議員のご質問に順次お答えいたします。
はじめに、住宅政策について何点かお尋ねがございました。
まず、「住生活基本計画」の見直しの取組状況についてでございます。
現在の計画は、平成19年3月に策定いたしましたが、その後の雇用状勢の悪化などにより、住宅に困窮する世帯が増加したこと、また、地域における少子高齢化のため、家族やコミュニティの結びつきが薄れ、孤独死が増加していることなど、新たな社会問題が生じております。
本県の住宅戸数は約400万戸で、世帯数の約360万を上回り、数のうえでは足りておりますが、こうした社会情勢の変化により、公的な支援を必要とする住宅困窮者や高齢者の世帯は、今後10年間で約9万9千世帯と、前回の計画策定時の7万8千世帯より、大幅に増加する見込みであります。
そこで、こうした住宅困窮者や高齢者が安心して暮らせる住まいを確保するため、住宅セーフティネットを再構築するという視点で、「住生活基本計画」の見直しを行っているところであります。
具体的には、県営住宅の建替えにあたって、高齢者向けの住戸を増やすとともに、民間活力を導入して生活支援施設を整備することや、県営住宅のストック全体の長寿命化を図り、居住環境を改善することなどを検討しております。
また、民間賃貸住宅については、これまであまり供給されてこなかった、見守りや介護サービス付きの高齢者向け住宅の供給方策などを、計画に位置づけてまいります。
県といたしましては、現在、こうした視点で作業を進めておりますが、国においても全国計画の見直しが並行して行われておりますので、国とも連携を図りながら、来年度の夏頃を目指して計画を改定してまいります。

要望

まず、住宅政策についてでありますが、住宅を取り巻く環境は近年、社会経済状況の変化によりまして、今答弁にもございましたように、大変大きな影響が出てきてまして、特に低所得者や高齢者などの困窮の度合いは確実に高まってきている感がいたします。
こうした時期に、住生活基本計画を見直すことは、まことに重要なことであるという風に思っております。その見直しに当たって、住宅セーフティネットの中核である公営住宅の供給目標量をしっかり確保していただきたいと思います。
生活者の視点に立って、よりきめ細かく住宅政策を推進する観点でお願い申し上げたいと思います。

(2) 大規模団地のコミュニティの活力低下に対する取組について

少子高齢社会、人口・世帯減少社会の到来に伴い、住民の高齢化や子供の人口減が進行することにより、地域でのコミュニティの活力低下が全国的に大きな問題になりつつある。
昭和40年代に開発された大規模団地などでは、交通利便性が悪い団地などを中心に、若い世代がいなくなり、住民の多くが高齢化し、コミュニティが成り立たなくなる恐れが生じ、中にはスーパーや商店も撤退し、利便性がますます悪化するという悪循環におちいっている例もあるという。
横浜市内では、旭区の若葉台団地や左近山団地、港南区の野庭団地や港南台団地などの大規模団地で、住民の半数以上が高齢者と聞いており、こうした大規模団地においてコミュニティを再生し、まち全体を活性化させることは重要なテーマと考える。
そこで、大規模団地におけるコミュニティの活力低下に対して、どのように取り組んでいるのか、所見を伺いたい。

松沢知事答弁

次に、大規模団地におけるコミュニティの活力低下に対する取組についてのお尋ねであります。
県内には、総戸数が500戸以上の大規模団地は約260か所ありますが、そのうち高度経済成長時代に開発された151団地で、住民が一斉に高齢化を迎えていることは、本県の住宅政策において、大きな課題であると認識しています。
一方、こうした課題を抱える団地では、事業主体や住民による先進的な取組みも始まっております。
例えば、都市再生機構の賃貸住宅団地「コンフォール南日吉」では、団地の建替えに併せて、福祉施設や保育園などを整備したり、戸塚区の分譲団地「ドリームハイツ」では、住民がNPO法人をつくってマンションの空き室を買い取り、高齢者支援活動などを実施している事例もございます。
県といたしましても、こうした団地の住民などによる様々な活動を支援するため、昨年度から、住まい・まちづくりの担い手を養成する研修事業に取り組み始めたところであります。
今後は、団地の活性化やコミュニティの再生に向け、市町村や住宅供給公社、都市再生機構などと連携をして、情報提供や相談体制を整備するなど、住民の活動を支援する取組みを強化してまいります。

(3) 住宅施策と福祉施策の連携による高齢者の居住安定確保について

特別養護老人ホームなどの施設整備が進まない本県では、在宅で介護保険サービスなどを受ける方の割合が、今後一層増加すると考えられ、高齢者が安心して暮らすことのできる住まいとその環境整備は急務である。そのためには住宅のバリアフリー化などハード面の推進だけでなく、生活者の目線に立ち、ソフト面でも生活を支援する必要があり、住宅施策と福祉施策が連携した取組が必要である。
高齢者の居住の安定確保に関する法律が平成21年改正で国土交通省と厚生労働省の共管となり、住宅施策と福祉施策が連携した一体的な取組を目指すこととなった。国土交通大臣及び厚生労働大臣が共同で定めた基本方針に基づき、都道府県においても、住宅部局と福祉部局が共同で「高齢者居住安定確保計画」の策定ができるようになったと聞いている。
そこで、本県において「高齢者居住安定確保計画」の策定にあたり、どのような視点で取り組んでいるのか、所見を伺いたい。
また、市町村による施策との整合を図る必要もあるので、策定過程で市町村との調整をどのように行うのか、併せて所見を伺いたい。

松沢知事答弁

また、今後いわゆる団塊の世代の方々が65歳以上になりまして、高齢者が急激に増加いたしますと、高齢者の皆さんが安心して暮らすことのできる住まいの確保が急務であろうかと思います。
それは単にハードとしてだけではなく、ご答弁にもありましたように、ソフトとしての生活支援も一体的に取り組んでいただくよう強く要望するとともに、いっそう住宅部局、福祉部局の連携強化をお願い申し上げるところであります。
本格的な超高齢社会を見据えた実効性の高い「高齢者居住安定確保計画」を策定し、速やかに具体的な取組みに着手していただくよう要望させていただきます。

要望

また、今後いわゆる団塊の世代の方々が65歳以上になりまして、高齢者が急激に増加いたしますと、高齢者の皆さんが安心して暮らすことのできる住まいの確保が急務であろうかと思います。
それは単にハードとしてだけではなく、ご答弁にもありましたように、ソフトとしての生活支援も一体的に取り組んでいただくよう強く要望するとともに、いっそう住宅部局、福祉部局の連携強化をお願い申し上げるところであります。
本格的な超高齢社会を見据えた実効性の高い「高齢者居住安定確保計画」を策定し、速やかに具体的な取組みに着手していただくよう要望させていただきます。