公明党神奈川県議団

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高齢化社会への対応について

藤井 深介 議員(横浜市神奈川区)

(1) 高齢者が安心して暮らせる街づくりについて

買い物弱者は、全国で600万人程度に上ると推計されており、経済産業省では、買い物弱者応援マニュアルを作成し、厚生労働省でも、買い物支援や見守りの事業に取り組む市町村を支援する安心生活創造事業を実施している。
本県の買い物弱者や高齢者の見守りへの対応としては、関係部局による庁内組織を設置し検討を進めているほか、県営3団地を対象に買い物で困っていることや、見守りへのニーズ等のアンケート調査を実施し、孤独死防止等の対策を検討していると承知している。
そこで、県営3団地における調査の結果、団地住民の買い物や見守りに関するニーズはどのようなものであったのか、また、県が調査を行った県営3団地以外の他の地域でも同様なニーズがあると考えられるので、今後の具体的な取組として、買い物弱者や孤独死防止への対応など、高齢者が安心して暮らせるための相談窓口の設置も必要ではないかと考えるが、所見を伺いたい。

知事答弁

次に、高齢者が安心して暮らせる街づくりとして、孤独死防止対策調査の結果と今後の取組みについて、お尋ねがございました。
県では、昨年10月から、高齢者の孤独死や買い物に関する実態・ニーズ等を把握するため、横浜市のいちょう上飯田団地、横須賀市の浦賀かもめ団地、平塚市の横内団地の県営3団地において、孤独死防止対策調査を行っております。
この調査では、団地にお住まいの約5,000世帯のうち、65歳以上の高齢者を中心に1,200世帯を対象に調査を実施し、約8割の945世帯から、ご回答をいただいております。
調査の結果では、一人暮らしの高齢者が約5割を占めている実態があり、また、孤独死を身近な問題と感じているとの回答が、6割強ありました。
見守りサービスについては、「緊急時の通報装置の設置」が約4割、「訪問による会話や相談」も約2割の方からご希望がありました。
さらに買い物については、重い荷物を持つことや、店が遠いことなどで、約4割の方がお困りになっており、2割の方から、青空市の開催や、団地への出張販売などの希望がありました。併せて、団地自治会、民生委員等の地域の関係者にも調査を実施し、孤独死などの緊急時に、鍵がなく入室が困難であった、親族の連絡先がわからなかったという実態や、買い物について高齢者が困っていると認識しているとの回答をいただきました。
次に相談窓口についてですが、現在、国では、高齢者が地域で安心して暮らせるよう、医療、介護、予防といった地域包括ケアに加え、見守りや配食、買い物などの多様な生活支援サービスが、日常生活圏域で提供されるシステムの実現に向けて、モデル事業の実施など、取り組みを始めております。
このシステムの中核機関として、市町村が設置する地域包括支援センターが位置づけられており、同センターは、地域支援の総合相談窓口の役割を担っております。
そこで、地域包括支援センターの設置促進を市町村へ働きかけるとともに、センター職員への研修の充実を図り、同センターを中心とした相談機能を強化してまいります。
今後さらに、孤独死防止対策調査の結果を分析し、その内容を市町村・関係団体に情報提供を行い、団地の関係者とも協議しながら、見守りや買い物支援など高齢者の方が安心して生活できるよう努めてまいります。

(2) 介護ロボット等を開発する中小企業への支援について

県民の3割が高齢者となる超高齢社会の到来が見込まれており、介護を担う人材の不足が予想されることから、様々な介護ロボットに対するニーズが高くなっている。高齢化社会の進展につれて、生産年齢人口も更に減少することから、介護ロボットに限らず、清掃や警備、施設のメンテナンスなど様々な分野でいわゆるサービスロボットのニーズが、今後高まっていくものと思われる。
本県には、ロボット産業に参入できるような優れた中小企業が数多く集積していることに加え、インベスト神奈川2ndステップでは、ロボット産業を新規成長分野の集積対象業種として位置付け、誘致を進めていくこととしたと聞いている。県としても、サービスロボットを電気自動車に続く成長産業の一つの柱として捉え、県内中小企業の参入を促進し地域経済の活性化を図っていく必要があると考える。
そこで、介護ロボットをはじめとしたサービスロボット等を開発する中小企業の育成支援に、どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

知事答弁

次に、介護ロボット等を開発する中小企業への支援について、お尋ねがありました。
ロボットは、センサー、駆動装置、情報処理といった様々な技術の組み合わせで作られており、自動車やIT、エレクトロニクスなど、幅広い製造業が集積する本県の特長を活かすことができる分野であります。
なかでも、介護ロボットなどサービスロボットの市場は、急速な社会の高齢化などを背景に、今後、大きく成長するものと期待されています。
そこで、県では、中小企業のサービスロボット産業への参入を促進するために、研究開発から実用化の段階まで様々な支援をしてまいりました。
研究開発の面では、「かわさき・神奈川ロボットビジネス協議会」の中で企業間の共同研究を進め、福祉施設や病院内で安全に荷物の運搬ができる、電動アシスト台車などの開発に成功しています。
また、実用化の面では、介護ロボットを県内の特別養護老人ホーム等に試験的に導入し、介護現場の負担軽減等について検証しております。
今後は、これまでの取組を更に進めるため、民間企業と連携して展示会を開催し、県内企業と全国各地の企業やユーザーとの交流・商談会を実施することで、サービスロボットの事業化を支援してまいります。
また、研究開発に必要な、実証実験の場所や機会をさらに充実して提供していくなど、介護ロボットを始めとしたサービスロボット産業の支援に努め、県内のものづくり中小企業の活性化を図ってまいります。