公明党神奈川県議団

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がんにかかわる最先端の取組みについて

渡辺 ひとし議員(藤沢市)

質問要旨

「がん」は、依然として治療が難しい部分も多く、新しい治療法や医薬品の開発が望まれる。
国際戦略総合特区の代表的な取組みとして、血液中のアミノ酸濃度を測定し、健康状態や病気の可能性を明らかにする技術「アミノインデックス」がある。
アミノインデックスは、少量の血液で、簡易にがんである目安を把握し、対応できることから、がん検診の受診促進へもつながる。さらに、報道によれば、「知事が、がんワクチンについて、提供する場を作っていけるか、検討を進めている」とあった。

「がんペプチドワクチン」とは、がん細胞だけが持つペプチドを目印に、免疫を高め、がんを攻撃するワクチンであり、取組みが進むことは、がん患者にとって、大いに期待感をもつものである。
そこで、「アミノインデックス」の今後の普及に対し、県としてどのように取組んでいくのか、所見を伺いたい。また、未承認の「がんワクチン」を使った治療をする場の設立に向け、検討に至った背景と今後の展開について、併せて所見を伺いたい。

知事答弁

アミノインデックスは、少量の血液により、がんであるリスクを評価するだけでなく、今後、生活習慣病分野での活用も、期待されています。
また、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区において、アミノインデックスを活用したテーラーメイド医療、個別化医療への展開が位置づけられており、現在、さらに機能の向上のための研究開発が進められています。
アミノインデックスが、特区の大きな成果となるためには、多くの方々に活用されることが必要であり、県は、職員向け人間ドックのオプションとして、来年度からの導入に向けて現在、健診機関との調整を進めています。
こうしたことを通じて、アミノインデックスを取扱う健診機関が増え、多くの方々に活用されることにより、特区の目指す個別化・予防医療の実現を図っていきたいと考えています。
次に、がんワクチンによる治療の場を検討するに至った背景と今後の展開についてです。
「がんペプチドワクチン療法」は、がんの3大治療である外科療法、化学療法、放射線療法に続く、第4の治療法として期待されている免疫療法の1つであり、がんペプチドワクチンは、長年、夢の治療薬と呼ばれ、世界で開発競争に突入しています。
このワクチンの研究開発の第一人者であるシカゴ大学医学部の中村祐輔教授が9月に帰国された際、「わが国の医薬品は大幅な輸入超過となっており、革新的な医薬品の開発が望まれている、このがんペプチドワクチンは、まさに、こうした課題解決につながるもの」というお話をいただきました。
また、過日、がんの患者会の方から、がんペプチドワクチン療法による治療の実現に対する要望をいただいており、多くの患者さんが一刻も早い治療の実現を待っていらっしゃる状況です。
こうしたことを背景として、まだ研究開発段階にありますが、県内に、「がんワクチンセンター」という、ワクチンを提供できる場を作るよう、現在、検討を進めているところです。
また、がんワクチンセンターで得られたデータを活用して、がんペプチドワクチンの研究開発が進められ、国際競争に勝てる日本発の医薬品として、大きなイノベーションを起こすことを、期待しているところであります。

再質問

アミノインデックスについて、現在の検査費用は私の知る限り、検査機関によっても違いがありますが、1回あたり概ね1万8千円から3万円と、やや高額であります。
県職員による人間ドックでオプションという答弁がありましたが、この金額では受診者が本当に受けるのかどうか、疑問があります。
このままでは普及について、要は広がっていかないのではないか、という懸念があります。
この技術は国際戦略総合特区をPRする象徴のひとつにもなりうるものでありますし、広く普及啓発をしていくべきものだと考えています。そのためには、検査費用への助成や、また、技術開発企業などに県から働きかけて、例えば、人数限定で費用を安くさせるなどの取組みが必要と考えますが、このあたりについて知事の所見を伺いたい。

知事再答弁

アミノインデックスの検査費用についてのご質問であります。
県が、今、アミノインデックスの検査費用に対して直接的に補助するということは考えておりません。ただ、販売数量が増加していきますと、検査費用は自ずから下がってまいりますので、県ではまず、取扱健診機関の拡大を進めて、できるだけ多くの方々に活用されるよう、普及に努めているところであります。
また、このアミノインデックスの提供者である味の素に対しては、これまでも、研究開発費の投入などによって価格の引下げを要望してきました。他に値段を下げる手段がないか、県と企業がともに知恵を出しあいながら、県民が利用しやすい価格となるよう、取り組んでいるところです。

要望

アミノインデックスの普及について、使用量が増えれば、拡大をしていけば、低減化されるという、答弁がありました。 私もその通りだと思います。
そういう意味では、しっかり様々な拡大の対策を打たなければいけないと思いますが、例えば、今の答弁では、まず先駆けとして、県職員の方々の人間ドックのオプションで使っていきたいというお話がありましたが、私はさらに踏み込んで、例えば県職員や警察、教職員、県の毎年、数万人規模で行っています健康診断、この検査項目に、何とかアミノインデックスを採用する、このような対応はできないか、それによって先導的に普及を図っていく、こういうことも必要ではないか、このようなことの要望をまずさせていただきたい。