公明党神奈川県議団

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障害者地域生活支援の現状と今後について

渡辺 ひとし 議員(藤沢市)

質問要旨

県では、障害者の地域生活を進めるため、障害者に対して支給してきた在宅重度障害者等手当の見直しと合わせ、平成21年に「かながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱」を策定し、大綱に定めた基本方針をもとに具体的な取組みを進めてきたが、これまでの取組みを見ると、障害者グループホーム等サポートセンターの設置等に取り組んできたことは承知していても、見直し財源の活用としては甚だ不十分である。プログラム大綱は平成26年度をもって対象期間が終了するが、我々議会並びに関係者の方々に約束した取組みは、未達成であり財源活用が不十分である。

そこで、

  1. プログラム大綱事業の重要な事業である、重度障害者医療費助成制度における精神障害者への拡充について、市町村の取組み状況を伺う
  2. 今後も障害者の地域生活支援を推進するためには、27年度以降も、プログラム大綱 に位置づけられている事業を継続・充実していく必要があると考えるが併せて伺いたい。

知事答弁

まず、重度障害者医療費助成制度についてですが、昨年度から重度の身体障害者と知的障害者に加え、重度の精神障害者の通院医療費についても助成対象とし、障害者の地域生活支援の充実を図っています。
この制度は、市町村が通院医療費を助成する場合に、県がその一部を補助する仕組みとしており、昨年2月に県と代表の市町で検討会を設置し、精神障害者への適用拡大を市町村に働きかけてきました。
その結果、精神障害者を対象としている市町村は、平成23年度末に12だったものが、現在は、倍以上の27市町村となっています。さらに実施を予定している市町もあり、今年度中には30程度の市町村に広がる見込みとなっています。
次に、かながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱に基づく事業についてです。県は、住まいの場であるグループホーム等の設置や利用を促進する事業、医療的ケアを行うホームヘルパーを養成する事業など、様々な事業をプログラム大綱に位置づけ、障害者の地域生活を支援する取組みを進めています。
こうした取組みにより、この3年間で、グループホーム等の利用者数は2割の増、ホームヘルプサービスの利用者数は3割の増、家族のレスパイト、休息のためにも重要な短期入所の利用者数も3割の増となっており、障害者が、地域生活を送るために必要な福祉サービスの利用状況は、着実に拡大しているところであります。

再質問

県は障害福祉サービスの利用が増えているとしていますが、それは先ほどの質問でも述べましたが、国の法定サービスの増であります。
在手見直し議論の際は、県単独財源が浮く分は、県独自の事業に充てるとの理解で、我々県議会も納得し苦渋の決断をいたしたところであります。
しかし、平成21年度、制度見直し前の、在宅重度障害者等手当ての当初予算額は約43億円でしたが、経過措置期間が終了した、今年度は約6億円になっています。その差額は、約37億円になりますが、一方、そのうち手当の見直し財源活用額は、今年度も約15億円でしかありません。
緊急財政対策には一定の理解を示すところでありますが、約束は約束としてプライオリティーの問題として、履行すべきだと考えます。政治・行政が今求められているのは、それは信頼だと思います。
まだまだ、事業内容と活用額が不十分と考えます。精神障害者の医療費補助範囲の拡大、または、障害者の方が高齢化した家族の支援をするという通常の逆の現象も新たな課題として出てきているなど、県が単独で行うべき事業は多々あります。
ゆえに、27年度以降もプログラム大綱に基づく事業を継続すると共に事業の拡大に努めるべきと考えます。また、そのため、27年度以降もプログラム大綱を策定し進行管理していくべきだと思いますが、所見を伺います。

知事答弁

ご指摘につきましては、平成21年6月定例会の常任委員会において、当時の保健福祉部長が、在宅重度障害者等手当の見直しと併せて、地域生活支援を推進するためにプログラム大綱を立ち上げるにあたって、新規と既存の施策の充実分を約16億円程度と推計するとの答弁をしたと認識しております。
平成24年度には、プログラム大綱事業の予算額は40.6億円、在宅重度障害者等手当の見直し財源活用相当部分は16.1億円でありました。
25年度につきましては、施設整備の完了、実績を踏まえた所要額の精査などにより、プログラム大綱事業の予算額は37.6億円、見直し財源活用相当部分は14.9億円となっていますけれど、緊急財政対策を実施している中、重度障害者医療費助成制度の精神障害者への適用など施策の充実を図るなどプログラム大綱事業の充実に努めたところであります。
この質問のプログラム大綱、27年度以降も拡大するべきではないかということでありますけれども、平成27年度以降というのは、本県の財政状況、給付費等の県費負担金の動向を見守り、市町村や関係者の意見、意向を聞きながら、障害者の地域生活支援に必要な事業を実施してまいりたいと思っております。

要望

我々が大綱を作れと言うのは、見える化をするという県の様々な施策の流れの中で、大きな計画の中に入れるのではなくて、そうすると国の取組も、県の独自の取組も包含されてしまって、なかなか見えてきません。そういう意味では大綱を別途作り、もしくは別途何らかのかたちで管理をして、どのような進行管理になっているのか、進捗になっているのかやるべきと、このように要望します。