公明党神奈川県議団

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治験・臨床研究体制の強化について

西村 くにこ 議員 (川崎市川崎区)

質問要旨

国は全国で 15の病院を「臨床研究中核病院」などに指定しているが、県内に指定された医療機関はなく、今後は県内でも、治験や臨床研究に強い医療機関の整備が望まれる。また、治験コーディネーターは医師や看護師などが日常業務と兼務して多忙を極めており、人材の確保も課題である。京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区や国家戦略特区で施策を推進する本県としては、県が先頭に立ち、医療機関や先端医療研究に関わる事業者と連携し、県内で治験や臨床研究が進むよう、体制の強化を行っていくべきである。

そこで、県民の健康寿命を延ばすとともに本県のライフサイエンス産業の更なる活性化を図るためには、新しい治療法や新薬などの治験や臨床研究に対応できる医療機関の機能強化、治験を運営管理する治験コーディネーターの育成など、治験・臨床研究体制の強化が必要であり、県が先頭に立って取り組むべきと考えるが、所見を伺いたい。

知事答弁

最先端の医療技術の開発と普及は、本県が進めるヘルスケア・ニューフロンティアの取組みの大きな柱のひとつです。
その中で、革新的な治療法の実用化を医療の現場で研究する臨床研究や、国の薬事承認に向けて安全性や有効性を検証する治験を進めることは、大変重要であると考えております。
県内には 4つの大学の医学部をはじめ、県立がんセンター、こども医療センターなど、高度な医療を提供できる医療機関や、ライフサイエンス分野の研究開発拠点が数多く立地しています。
しかしながら、現時点では国の臨床研究中核病院に指定された医療機関がないなど、臨床研究や治験を行う体制や機能が十分であるとは言えません。
こうした中、国家戦略特区においては、臨床研究などを進めるため、「保険外併用療養の特例」と「病床規制の特例」が盛り込まれています。
このうち、「保険外併用療養の特例」については、現在その対象が臨床研究中核病院等に限られているため、私はこれを同等の高度な機能をもつ病院にも拡大するよう、特区の区域会議等で強く求めているところです。
また、「病床規制の特例」については、今月作成された計画に、この特例を活用する県内の 3つの医療機関が盛り込まれました。今後さらなる追加に向けて、国に働きかけてまいります。
さらに、一昨日、県は米国の NIH(エヌアイエイチ)、国立衛生研究所の研究機関であるNCATS(エヌキャッツ)と連携し、臨床研究を支える体制や人材育成に関するシンポジウムを、医療機関や大学などの参加を得て横浜で開催しました。
シンポジウムには私も参加しましたが、パネリストからは「臨床研究中核病院であっても世界レベルには達していない」や、「世界に通用する臨床研究体制を神奈川から早急に作るべきだ」といった意見が出されるなど、今後の大きなヒントを得たところでありました。
今後、シンポジウムでの議論や、医療機関・関連企業などの意見も踏まえ、神奈川で世界最先端の臨床研究や治験が進むよう、体制強化や人材育成に向けた具体策について、スピード感をもって検討してまいります。

要望

知事、そして保健福祉局長、たいへん前向きなご答弁をいただきました。
治験・臨床研究体制の強化についてですが、スピード感を持ってというふうにお答えいただきました。今まさに、このスピード感が求められているときであろうかと思います。
さまざまな研究機関が進出してきていますが、「研究開発は進むだろうけれども、出口戦略に結びつけるような機関がない」というような意見があります。
しかし、そのことを十二分に知事も問題視をして頂いていて、 14日の日にNIHをはじめとする基礎研究から出口戦略に結び付けていこうという、NCATSを招いてのシンポジウムなど、その意気込みを私は感じているところです。
こういった経済政策としての、出口戦略としての臨床体制の充備というのはもちろんですが、神奈川県民としてそのことが直接、恩恵として享受できるような、最先端の医療を受けられるような、といった意味での医療体制の確保というものも必要ではないかと思います。