公明党神奈川県議団

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小児がんへの重粒子線治療の適用拡大について

西村 くにこ 議員 (川崎市川崎区)

質問要旨

小児がんの治療は、抗がん剤や放射線の副作用による発育障害や、二次がんなどの晩期合併症が課題であるが、重粒子線治療は副作用が少なく、からだにやさしい治療が可能である。また、小児がんの治療は長期にわたることが多く、入院が長引けば、家庭生活や学校生活に大きな支障をきたすが、小児がんに重粒子線治療が適用されれば、通院で治療を行うなど、治療期間の短縮化も図られる。
県立こども医療センターは、小児がん拠点病院として、県内で唯一の指定を受け、小児がんの治療では国内有数の実績を有している。県立がんセンターと県立こども医療センターが連携し、小児がんへの重粒子線治療を進めていけば、患者や家族にとって大きな希望となる。

そこで、小児がんについては、小児がん拠点病院である県立こども医療センターと、県立がんセンターが連携して重粒子線治療を行っていくべきと考えるが、所見を伺いたい。

知事答弁

県立がんセンターの重粒子線施設は、平成 27年12月の治療開始を目指し、現在、建屋の建設も終わり、装置の整備などが順調に進んでいます。
重粒子線治療で、小児がんにも対応できるならば、手術に比べ体への負担も少なく、また、こども達が入院せずに通学しながらの治療が可能になるなど、小児がん患者の生活の質が高まることが期待できます。
しかし、小児がんの重粒子線治療は、臨床研究の段階であり、これから成長する小児の正常組織や骨への影響など、安全性を慎重に検証する必要があります。
他の先行施設である群馬大学においても、小児の骨などに発生する悪性腫瘍について、臨床研究として有効性の検証が始まった段階です。
小児がん治療には、小児腫瘍内科医など、小児専門の医師や看護師などのスタッフが必要であり、小児がん拠点病院である県立こども医療センターには、小児がんの知識や経験が豊富な人材が揃っています。
そこで、小児がんの重粒子線治療については、がんセンターとこども医療センターの医療スタッフが、合同でカンファレンスを開催するなど、連携して臨床研究に取り組んでいくこととしています。
こうした体制のもとで、小児がんに対する重粒子線治療の安全性や有効性を慎重に検証し、一日も早い治療の実施を目指してまいります。

要望

小児がんについては、 2つの大きなポイントがあると思います。
小児がんは、二次がんといった晩期合併症が大きな課題となっています。大人になってから違う形で発症してくることについて、県立こども医療センターでは成人の方を診る体制を持っていますが、県立がんセンターと連携することによって新たに患者さんに選択肢が増えてきます。
そして、もうひとつの観点は重粒子線治療で、これは取組みを進めていただけるということですが、それ以外にも婦人科系のがんへの治験というのも今始まっています。群馬大学で子宮けいがんの重粒子線治療が始まりました。そして、陽子線の方ですが、新たに乳がんの治療に挑戦しようという医療機関が出てきました。より多くのがんに対応することによって、より多くの患者さんの選択肢となるように、研究開発を進めていただきたいと思います。