公明党神奈川県議団

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ヘルスケアICTについて

高橋 稔 議員(港南区)

質問要旨

ヘルスケアICTシステムの構築や基盤整備により、健康・医療情報の集積や、患者、医療機関等、多様な分野・主体による利活用が進むことで、「ヘルスケア・ニューフロンティア構想」が大いに推進されるものと思われる。

¥一方、ヘルスケアICTの推進に当たっては、情報セキュリティ対策の問題等の技術的な課題だけではなく、収集・集積する健康・医療情報の項目や内容の検討など、乗り越えるべき課題が多く存在するが、例えば、情報提供に係るインセンティブを付与する方策を検討し県民参加を促進する、または、地域包括ケア等の様々な関係情報システムとの連携を行うなどの具体的な戦略をもって、臨むことが必要である。  そこで、ヘルスケアICTについては、今後、どのような戦略的な展開を考えているのか、また、特に今年度は具体的にどのような取組を行うのか、併せて伺いたい。

知事答弁

本県は、健康・医療情報を電子化して、活用するヘルスケアICTシステムの構築に向け、医療・介護の現場での活用や、研究・開発の促進、さらには、個別化医療の実現を目指した取組みを進めています。

このシステムは、平成32年を目途に、段階的に活用の範囲を広げていく構想であり、まず、行政として、県民の安全・安心を確保するという観点から、災害・緊急時への活用を最優先に取り組んでまいります。

具体的には、災害時に避難所に避難された方が、普段飲まれているお薬が分からない場合には、必要な情報を提供できるようなシステムを開発することを想定しています。

そこで、今年度は、災害時などの緊急時の活用を想定したシステムの開発と実証を行います。

このため、医療機関などとも連携して、スマートフォンなどを活用して、自らの病名や投薬情報等を閲覧することができるアプリケーションの実証を、1,000人規模で行います。

次の展開として、県民・個人の健康診断データや、日常生活で計測する血圧、脈拍等のデータ、いわゆるバイタルデータなど、利用できる情報の対象を広げ、県民の皆様の主体的な健康管理に活用できるようにしていきたいと考えています。

さらに、医療・介護の分野などにおいても、このシステムの活用により、医薬品や医療機器の研究開発、医療の高度化などを実現することを目指しています。

今後、ヘルスケア・ニューフロンティアの推進に向け、国の次世代医療ICT基盤協議会等とも連携を図りながら、個人・患者を中心においたヘルスケアICTシステムを構築してまいります。

再質問

過日、かながわグランドデザインの第二期の実施計画が発表されました。この中にも、このヘルスケアICTの項目があり、「マイME-BYOカルテ」、個人向け健康・医療カルテの利用者数、2020年には利用者100万人、2018年にはその半分の50万人が目標ということで掲げられておりました。

今の答弁にありました1,000人規模の県民参加からすると、たいへん数字に乖離があるなという思いで伺ったわけですけれども、戦略的な取組みをしていかないと、なかなかこのグランドデザイン第二期実施計画に掲げた数値目標には、到達しないのではないかなと、こんなふうに懸念をしてしまいます。

個別化医療ということも踏まえまして、ヘルスケア全体が担う使命や大きな戦略論も県民理解のもと進めていかないと、目標の利用者数には届いていかないのではないかなと危惧してしまいます。

どのように戦略展開を考えているのか、お聞かせください。

再質問に対する知事答弁

本年度に作成するアプリケーションは、利用者のメリットや利便性などについて、実際に使用していただきながら検証を行うために、まず、1,000人規模を想定しています。

最初、1,000人規模で2020年に、100万人までにいくのかどうかという疑問でありますけれども、もともと最初の年度は1,000人規模を想定したシナリオでありました。

今回の「マイME-BYOカルテ」といった構想は、一人ひとりが自分のヘルスケア、ヘルスの状態というものを、まさに未病の状態を自分でチェックして、自分でこれを改善させていっていただきたい、そういったような大きなプロジェクトであります。

皆さんがそれぞれ未病を感じていただくといったことは大事でございますけれども、自らの自発性だけに頼るのでは無く、今度は前と違って、先ほど申し上げましたけれども、災害時、これに対して役に立つような体制を創らなければならない、そういった視点からも、こういった規模を膨らませていきたいと考えております。

今回の検証の結果を踏まえまして、より使いやすいアプリケーションを開発しまして、併せて、企業や団体と連携した幅広い普及活動を行い、より多くの県民の方々に利用していただけるよう取組みを進めていきたいと、そのように考えております。

要望

是非、使い勝手のよさを追求していただきまして、戦略的な取組みを進めていただきたいと思います。