公明党神奈川県議団

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最先端医療の集積を担う人材の確保・育成について

佐々木 正行 議員(相模原市)

質問要旨

来年春の「ライフイノベーションセンター(仮称)」の開設に向けて重要なのは、共同研究や事業連携をしたいと思わせるような、求心力とリーダーシップを持つ、優れた「人材」をいかに引き込んでいくかということである。また、治験や臨床研究を進めるためには、情報処理やデータマイニングの能力に優れた「データサイエンティスト」といった専門人材も確保していくことが重要であり、加えて、企業や研究機関の集積を継続していくためには、将来を担う「人材の育成」も必要不可欠である。県は未来の医療技術の発展を支える多様な専門人材の育成をしっかりと進めていくべきと考える。


そこで、殿町地区をはじめ、県内に最先端医療の研究開発機能の集積を図るため、求心力とリーダーシップを兼ね備えた優れた人材の確保や研究開発を支える幅広い人材の育成について、県はどのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

知事答弁

最先端の医療技術の実用化や集積を進めていくためには、プレーヤーである企業や研究機関を惹きつける、いわゆるマグネットとなる優れた研究者・経営者、企業を引き込むこと、また将来を担う人材を育成していくことが、大変重要であります。

現在、殿町地区では、再生医療やナノ医療、ロボット技術など、様々な分野の第一線で活躍する著名な研究者が既に活動し、あるいは今後活動を行うことが決定しているなど、最先端医療産業の拠点として、「人材の集積」も進んでいます。

県では、殿町地区の魅力を更に高めるため、「キーパーソンの確保」を念頭に、地元の川崎市や国・業界団体とも連携し、先駆的な研究を行う研究機関や企業の誘致に取り組んでいるところです。

こうした中、10月には、県が整備を進める「ライフイノベーションセンター」に、iPS細胞の製造で世界トップクラスの企業の進出が決定したほか、先月には私自身が英国を訪問し、再生医療分野における世界有数の産業推進機構と、日本の自治体として初めて、連携・協力の覚書を締結いたしました。

このような成果も積極的に活用しながら、高い能力を持つ研究者や企業の確保に向けて取り組んでまいります。

また、最先端医療技術の開発に不可欠な、治験や臨床研究をデータ解析の面からサポートする人材については、先月から「かながわクリニカルリサーチ戦略研究センター」の事業を開始いたしました。

これは企業の臨床試験の計画、いわゆるプロトコールの作成を、データ解析や臨床統計学の専門家が支援していくものであり、併せてこの分野で将来を担う人材の育成も図っていきます。

さらに、県が設置に向けて取組みを進めております「メディカル・イノベーション・スクール」においても、幅広い分野で国際的に活躍できる医療人材の育成に取り組んでいきます。

今後もこうした取組みを一層強化し、私自身が先頭に立って、最先端の医療技術の集積を担う人材の確保や育成に努めてまいります。

要望

殿町地区に最先端医療をはじめとするライフサイエンス産業の集積が進んでいることは一定の評価をしておりますし、今後も応援してまいりたいと思います。

しかし重要なのは、「そこにどのような人がいるか」ということであります。この「人の魅力」がないと、優れた技術や産業の集積も掛け声だけで中身のないものになってしまいます。

「優れた研究者や経営者」を集めていくことは、その研究者個人個人の相性もあり、言うのは簡単ですが、実際は大変な取組みです。しかし妥協することなく、粘り強く取り組んでほしいと思います。

また、最新の医療や創薬などのデータ解析を担う「データサイエンティスト」は非常に重要です。データの専門家がいないと実用化は実現しません。しかし我が国ではこうした専門家を育成する仕組みはまだまだ構築されていないと思います。

今後、国や国内の他の先進地域、さらに海外とも連携しながら、こうした人材の確保や育成にも積極的に努めていっていただきたいと思います。