公明党神奈川県議団

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災害時における県立学校の安全確保と避難者の受入れについて

西村 くにこ議員(川崎市川崎区)

西村議員質問

 昨年6月、私はこの場で、災害時における県立高校体育館の安全性確保と機能の充実について教育長に伺いました。
 熊本地震の際に施設のガラスが割れ、避難所として使用できなくなったことなどを踏まえ、県立高校体育館の窓ガラス等の安全性の確保や避難所としての機能充実について伺ったところ、教育長からは、既に体育館に貼ってあるガラス飛散防止フィルムについては、10年を経過してしまうため、現状を把握し必要な措置を検討する。また、避難所の指定の有無にかかわらず、県立高校の避難者の受入れに向けて市町と協議を進めるとの答弁をいただきました。
 1年が過ぎ、県立学校における防災が進んでいることを期待し、再び避難所の重要性について、取り上げてまいります。
 平成の30年間は震度7が計測される大きな地震が相次ぎました。震度6以上となると実に30数回も発生しています。
 地元の方々からは、災害に対する不安の声が寄せられており、特に、高齢の方々の避難所に関する要望を多くいただいています。加齢とともに次第に歩行が困難になるため、近くに避難所があることが求められています。また、避難所の指定が広がれば、不安の解消にもつながるでしょう。
 併せて、本年4月には東京湾沿岸における高潮浸水想定区域図が発表されましたが、木造住宅が密集するわが川崎区の方々が高い所、丈夫な建物として避難する場所の確保は急務だと考えます。
 避難所については、基本的には、市町村が市町村立学校などを避難所として指定し、必要に応じて、県立学校も市町村からの指定を受けて避難所になると認識しています。  現状では、県立特別支援学校については、県内で広く福祉避難所に指定されていると認識していますが、県立高校については避難所指定をしていない市町もあり、十分とは言えないのではないかと危惧しています。行政としては、少しでも早く住民の安全を確保し、安心していただくために、市町村と県が日ごろから連携し、柔軟な対応を取ることが重要ではないでしょうか。

 そこで、教育長に伺います。
 まず、避難所となり得る県立学校の体育館のガラス飛散防止について、今後、どのように対応していこうと考えているのか伺います。また、災害が発生した際の避難者の受入れに向けた県立高校の取組の状況を伺います。

教育長答弁

 まず、県立学校における体育館の窓ガラスの飛散防止についてです。県立学校では、平成21年度までに、すべての体育館で、飛散防止フィルムの貼り付け工事を完了しています。
 しかし、このフィルムの耐用年数は、概ね10年とされていることから、昨年度、その劣化状況について、5校を対象にサンプル調査を行いました。その結果、施工時期が新しい高校のフィルムは、JISの安全基準を上回っていましたが、比較的早い時期に施工した特別支援学校では、基準を下回っていることが分かりました。
 そこで、まずは、劣化が確認された、特別支援学校の体育館の窓ガラスについて、フィルムの貼り替えや強化ガラスへの交換を、今年度から実施し、早期に終えたいと考えています。
 また、高校の体育館については、来年度以降、耐用年数を基準として、順次、必要な安全対策に取り組んでまいります。
 次に、避難者の受入れに向けた県立高校における取組の状況です。大規模災害の発生時には、市町からの避難所の指定を受けた高校だけでなく、全ての高校に、近隣の方などが避難して来られる可能性があります。
 こうしたことから、各高校ではそれぞれの市町とともに協議を行いながら、本年7月を目途に、初動時の体制確保を目的とした「避難所初動対応マニュアル」の作成を進めています。
 引き続き、県教育委員会では、災害時における学校施設の安全を確保するとともに、近隣の皆様が安心して、近くの県立高校に避難できるよう、市町との連携を十分に図りながら、対応してまいります。