公明党神奈川県議団

ホーム所属議員 重点政策 活動リポート ニュース 本会議 常任委員会 特別委員会 ご意見・ご要望

「食文化」の視点に立った地産地消の推進について

小野寺 慎一郎議員(横浜市旭区)

小野寺議員質問

 「食」をキーワードに地域ブランディングを図ろうとする自治体は全国にあるが、特産品のPR等に止まっているところも多い。一方で、風土や歴史に根差した、豊かな食文化を育んでいる地域も存在しており、そうした地域に共通しているのは、徹底した地産地消の取組である。その一環として、地元の食材の美味しさを発見する食育が盛んであり、料理人などのプロフェッショナルも積極的に加わるとともに、高い調理技術をジャンルを超えて共有しようとしている。
 大都市圏にありながら多種多様な大地の幸、海の幸に恵まれ、「未病」の改善につながる健康な食生活を推進する本県においては、こうした地産地消の取組を総合的に推進していくことにより、長い歴史と伝統だけにとらわれない、神奈川らしい食文化の創造が期待できる。

 そこで、地産地消を更に推進していくために、「食文化」という視点をどのように取り入れていくのか、所見を伺いたい。

知事答弁

 「食文化」は、その土地ならではの伝統的な農産物や、特色のある農産物などが、地域の人々の食生活に浸透し、歴史や風土とともに、やがて「文化」として根付いていくものであると認識しています。
 これまで、県では、特色ある農産物を「かながわブランド」として登録し、普及・PRしてきましたが、「食文化」として根付くことで、持続的な地産地消につながることが期待されます。
 「かながわブランド」には、例えば、伝統的な農産物として、開成町で復活したサトイモの「開成弥一芋」があり、普通のサトイモよりネットリした食感を活かした「開成コロッケ」などが町のブランド品になっています。
 また、新品種の農産物としては、サラダなど生でも食べられるよう、県農業技術センターと民間種苗会社が共同で開発した横須賀市等の水ナス「サラダ紫」があります。
 こうした農産物は、地元では親しまれているものの、一般の消費者の認知度はまだ低いため、さらにブランド力を高めていく必要があります。
 そこで、県では、伝統的な農産物については、生産者団体と協力して、農産物の由来や歴史を地域の風土と絡め、ストーリー性を持たせた販売促進を実施していきます。
 また、新たな農産物については、高い品質や豊かな味わいなどの特徴を、消費者にアピールします。
 さらに、料理人等を対象にした産地見学会や新品種などの紹介セミナーを開催し、「かながわブランド」の農産物を食材としたメニューを、飲食店で提供してもらえるようPRしていきます。
 このように、「食文化」の視点を取り入れながら、「かながわブランド」の農産物の普及に努め、地産地消をさらに推進してまいります。

要望

  当初は、食文化の創造ということについて知事のお考えをお聞きしようと思っていました。ただ、食文化という言葉を出したとたんに受けてくれる部局がなくなるのですよ。食文化ってないのですね、神奈川県で総合的に取り組んでいるところが。
 もちろん地産地消というのは大変大事なテーマでありますけれども、これを食文化まで昇華させるためには、最近あまり取組が注目されていませんけれども、食育ということが大変大事でありますし、質問でも触れて、知事もご答弁の中でおっしゃっていただきましたけれども、料理人の存在、様々な要素が絡んできます。
 知事もご存じと伺いましたが、フレンチのシェフとして有名な三國清三さん、三國さんは20年前に、まだ食育基本法ができる前から小学生を対象にして味覚の授業「KIDS-シェフ」という取組を行っていらっしゃいます。最近、江戸東京野菜が注目されていますけれども、これも三國さんがブームのきっかけを作ったというふうに聞いています。
 その彼が日本では食は文化と言いつつまだそうなっていないと言っています。ちなみに三國さんと一緒に食育の取組を進めている方の話では、三國さん最近よく未病という言葉を口にするようになりましたと言っておりました。
 食文化の創造というのは健康と人生の充実とさらには地域の発展にもつながると思っています。行政にも様々な係わりが考えられると思いますので、次の機会にはぜひ食文化の創造というテーマについて、知事と真正面から議論ができるように今後の取組に心から期待をしておりますので、よろしくお願いします。