公明党神奈川県議団

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地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所における研究開発の実績と課題について

小野寺 慎一郎議員(横浜市旭区)

小野寺議員質問

 神奈川県立産業技術総合研究所、KISTECは、平成29年4月、県内のイノベーションの創出に向け、神奈川県産業技術センターと公益財団法人神奈川科学技術アカデミー、KASTを統合し、地方独立行政法人として発足した。
 そもそもKISTECには、KASTの研究開発力、産業技術センターの技術力の相乗効果を期待されていた。特に、KASTが持っていた研究ブランドとしての力を維持し、新たな研究開発や事業化に結び付けていくことが求められている。
 そこで、統合して2年が経った今、
①KISTECでは、研究開発においてどのような実績をあげているのか、また、
②研究開発に当たり、どのような課題があり、
③その解決にどのように取り組もうと考えているのか、
所見を伺いたい。

産業労働局長答弁

 KISTECは、KASTの研究成果と産業技術センターの技術支援の知見等を活かし、より一層の産業振興を図ることを目的として両機関を統合し、平成29年度に設立されました。
KASTは光触媒の研究などで卓越した実績を上げ、世界にも通用するブランド力を持っていましたが、KISTECもそれに勝るとも劣らない実績を上げています。
 例えば、研究開発に関する学会発表は平成30年度に374件、論文等掲載件数は115件で、いずれも、統合前の5年間の平均を上回っております。
 また、大学等の有望な研究シーズの事業化を目指す「プロジェクト研究」の件数も、現在16件と、統合前の12件を上回っています。
 さらに、研究内容も進展しており、新たに、血液や尿から癌の診断マーカーを簡便に探知する技術の開発にも成功し、メディアに取り上げられました。
 加えて、「貼るだけ人工すい臓」や「大量毛髪再生」の研究も、文部科学省の支援を獲得し、現在、ベンチャーの設立も視野に、研究が進められています。
 こうした研究開発をさらに推進していくためには、引き続き、優れた研究者と、研究財源を確保することが必要です。
そこで、今後も着実にKISTECの研究成果を積み上げ、学会やフォーラムなどで積極的に発表することにより、研究機関としての認知度をより向上させ、優秀な人材確保につなげてまいります。
 また、公募型の競争的資金に関する情報を積極的に収集するとともに、先進的な研究計画を立案し、継続的な外部資金の獲得を図ってまいります。
 このように、優れた研究が人材と資金を呼び込み、更に優れた研究成果を上げていく好循環を作り、KISTECが世界的なブランド力を保てるよう、県も協力して取り組んでまいります。

要望

 大変な、いい成績を上げているとご答弁をいただきました。
 応用研究も実用化研究も大変重要なことであると思いますけれども、基礎研究があればこそだと思っていますので、しっかりとその辺の取組ができる環境を、これからも作っていただくようにお願いをしたいと思います。