公明党神奈川県議団
化学物質過敏症について
谷口 かずふみ議員(大和市)
谷口議員質問
香料の入った柔軟剤や洗剤、化粧品などの香りを不快に感じるだけでなく、頭痛やめまいなどの症状や、もともと持っていたアレルギー疾患の症状悪化などの体調不良に悩まされる方もいる。
こうした症状は、いわゆる化学物質過敏症として知られるようになってきているが、まだ、認知度は十分でないことや、症状に個人差が大きいことなどから、化学物質過敏症の方の生活の質の確保は困難な状態にあると認識している。
こうした状況を改善するためには、一人でも多くの方に化学物質過敏症について知ってもらい、香料の入った製品を過剰に使用することのないよう配慮していただくことが効果的であることから、県としても、広く県民に、化学物質過敏症の方への配慮を呼び掛けていく必要があると考える。
そこで、化学物質過敏症に悩む方が、少しでも原因となる化学物質を避け、安心して暮らすことができるようにするため、県としてどのように周知していくのか、見解を伺いたい。
知事答弁
いわゆる化学物質過敏症は、ある特定の化学物質にさらされることで、頭痛や倦怠感などの様々な症状が引き起こされるものとされていますが、現在のところ、発症の仕組みなどが科学的に解明されておらず、患者数などの実態もよく分かっていません。
一方で、保健福祉事務所や医療安全相談センターなどに、こうした症状を訴える方からの相談が寄せられることがあり、県としても、対応を考える必要があると認識しています。
この化学物質過敏症への対応についてですが、現時点では確立した治療法はないため、症状を誘発させる化学物質をできるだけ避けるということ以外、有効な対処法がないというのが実情です。
このため、まずは、できるだけ多くの方に、実際にお悩みの方がいらっしゃるということ、また、香料などを使った製品の過度な使用を控えることが、症状の緩和に有効であることを理解していただく必要があります。
そこで県では、県民の皆様の理解促進のため、様々な機会を捉えて、化学物質過敏症に関する情報を発信していきます。
具体的には、洗剤や殺虫剤などに含まれる僅かな量の化学物質であっても発症する方がいること、自分にとって快適な製品であっても、こうした方には苦痛になることがあること、周囲の方の心遣いで症状が緩和されることなどについて、分かりやすく解説したチラシを作成します。
そして、こうしたチラシを、保健福祉事務所の窓口などで配布するほか、県のホームページに掲載するとともに、市町村とも連携して広く情報を発信し、県民の皆様の理解促進を図ります。
県では、このように、化学物質過敏症に関する知識を普及し、周囲の方への配慮を促すことで、症状に苦しまれている方も安心して暮らすことができるよう、しっかりと取り組んでまいります。