公明党神奈川県議団
コロナ禍における県立病院の役割について
佐々木 正行議員(相模原市中央区)
佐々木議員質問
新型コロナウイルスの感染の状況は今後も予断を許さないものであり、県立5病院には、これまでの経験を基礎に、さらなる取組を求めたい。
まず、県立病院は、コロナ患者の治療に当たってきた経験を、新型コロナに対する治療法の確立に活用するべきである。
また、新型コロナ感染症への対応が長期化し、強いストレスを感じている医療従事者に対するサポートについて、取り組むべきである。
県立5病院は、幅広い分野を網羅している強みがあり、治療、研究、医療従事のサポートなど病院間の連携を図ることで、より効果的な対応が可能となる。
そこで、感染拡大が収束しない中、県立病院として、専門性や総合性を活かしながら、どのように新型コロナウイルス感染症への対応を進めていくのか、所見を伺いたい。
知事答弁
県立病院機構では、重点医療機関である足柄上病院を始めとする4病院で、昨年2月以来、約700人の新型コロナウイルス感染症の患者を受入れてきました。
現在の感染拡大と長期化に立ち向かうためには、各病院の対応をさらに強化し、その豊富な経験や知見を、患者や他の医療機関に活かしていくことが必要です。
まず、コロナ患者受入れ病床の拡大です。このたび、4病院に加え、がんセンターがコロナ用病床を20床設け、2月22日から院外患者の受入れを開始します。対象はコロナに感染したがん患者の方で、がんとコロナ双方の治療にあたっていきます。
次に、治療法の確立です。この感染症は未だ不明な点も多く標準的な治療法が確立されていません。
このような中で、主に中等症の患者を受け入れてきた循環器呼吸器病センターでは、呼吸器の専門病院として、早い段階から、抗ウイルス薬に加え、肺炎などの炎症を抑えるためのステロイド療法の効果に着目し、重症化を防ぐ治療に取り組んできました。
現在、循環器呼吸器病センターの医師が全国31病院による共同研究の代表としてステロイド療法の有効性に関する研究を進めていますので、今後、その結果を論文等で公表し、国内医療機関とのネットワークを活用するなど、コロナの治療に役立てていきます。
また、県立病院でのコロナ対応を継続するためには、身体的・精神的疲労が蓄積している医療従事者へのメンタルヘルスケアが重要です。
病院機構では今年3月に、5病院の看護師約1,700人を対象に、メンタルヘルスの実態把握と、その対策に向けた研究を実施します。
県内の医療機関によるこのような調査・研究は初めてであり、研究結果は、県立病院のメンタルヘルスケアの充実や人材の定着に役立てるとともに、県内医療機関に周知して、参考にしていただきたいと考えています。
今後、すべての県立病院において、それぞれの専門性に基づく知見を共有し、専門人材の交流などにより連携を深め、総合力を発揮しながら、コロナ対応にあたってまいります。