公明党神奈川県議団
太陽光パネルの廃棄問題について
谷口 かずふみ議員(大和市)
谷口議員質問
2030年代後半以降、太陽光パネルの大量廃棄時代の到来が見込まれるが、今は太陽光パネル導入のメリットばかりが強調され、撤去費用や処理方法の周知、処理体制の整備が十分とは言えない状況にある。
法改正により、10kW以上の太陽光発電は廃棄費用を積み立てる制度が創設されたが、10kW未満の、いわゆる住宅用の太陽光発電については、そうした制度がなく、撤去費用や処理方法を周知する必要がある。
また、最終処分場の逼迫を招かないようにするためには、まずはリユースを進め、リユースできないものについてはリサイクルすることが望ましい。太陽光パネルの大量廃棄問題が目の前に迫ってから対応するのではなく、あらかじめ、しっかりと準備をしておく必要がある。
そこで、太陽光発電の導入を積極的に推進してきた本県として、大量廃棄時代の到来に備え、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。
知事答弁
県では、東日本大震災による電力不足を契機として、新たなエネルギー体系の必要性を訴え、太陽光発電の導入拡大に積極的に取り組んできました。
その結果、本県の太陽光発電の導入量は、2020年度には約97万キロワットとなり、私が知事に就任する前の2010年度と比較して、約7.4倍の大幅増となりました。
一方、太陽光パネルの寿命は25年から30年程度と言われており、2030年代後半には、大量廃棄時代が到来すると予測されています。
今後、処理方法や廃棄費用等について、様々な課題が生じることが見込まれますので、太陽光発電の導入を推進してきた県としても、大量廃棄時代に備え、しっかりと準備に取り組む必要があると考えています。
まず、太陽光パネルをできるだけ長く利用していただくため、県ホームページにおいて、保守点検や整備の重要性を周知するとともに、地域で活動する保守点検事業者のデータベースを公開しています。
また、太陽光パネルを廃棄する際には、資源の有効活用の観点から、できるだけリユースやリサイクルが行われるよう、国が作成したガイドラインを活用して、その必要性を周知し、促進を図っています。
さらに、廃棄物となった太陽光パネルについては、処理責任を負う所有者や解体・撤去業者、廃棄物処理業者に対し、廃棄物処理法に基づき、適正な処理が行われるよう指導しています。
なお、事業用の太陽光パネルについては、今年7月から廃棄費用の積立制度が始まりますが、住宅用の太陽光パネルにはこうした制度がないことから、将来的に生じる費用負担について、丁寧に周知していきます。
一方、国では、大量廃棄時代に備え、今年4月に有識者や実務者等による検討会を設置し、太陽光パネルの安定的な資源循環のための体制づくりなどについて、本格的な検討を始めました。
県としては、今後、こうした国における議論も注視しながら、取組を更に充実させ、大量廃棄時代に向けて、しっかりと準備してまいります。