公明党神奈川県議団

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障がい者差別解消に関する取組の充実について

西村 くにこ議員(川崎市川崎区)

西村議員質問

 令和4年第1回定例会での我が会派の代表質問の結果、県が制定を目指している「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例」において、障がい者の差別解消に関する規定が設けられる方向となった。また、令和3年6月に所謂「障害者差別解消法」が改正され、差別を解消するための国や地方公共団体による支援措置の強化のほか、事業者による合理的配慮の提供の義務化などが規定され、今後、施行される。
 しかし、障がいを理由とする不当な差別は、依然として解消されないばかりか、コロナ禍にあって新たな課題が表面化したようにも思われる。今回の条例提案を契機に取組が一層充実され、条例制定後の具体的な取組につなげてもらいたい。

 そこで、条例における障がい者への差別解消に向けた知事の思いと、障がい者差別解消に関する取組の充実に向け、どのように進めていこうと考えているのか、所見を伺いたい。

知事答弁

 条例の議論が始まった昨年9月以降、私は、障がい当事者の皆さんとの対話を重ね、その中で、「同じ一人の人間として尊重されていない」といった切実な訴えを伺ってきました。
 また、県民の皆様からは、「障がいのことを知らないから差別につながる」といった声をいただいており、まだまだ、障がい者への差別や偏見による、心ない言動や配慮を欠いた対応が存在していると認識しています。
 障がい者に対する差別や偏見は、決して許されるものではありません。
当事者目線の障害福祉推進条例案では、差別解消を大きな柱の一つに置き、障がいを理由とする差別を禁止することを明確に規定しました。
 また、障害者差別解消法では、障がい者から申し出があった場合に、合理的な配慮を行わなければなりませんが、条例案ではさらに踏み込み、申し出が無くても、事業者等は、積極的に合理的な配慮に努めることを規定しました。
 県はこれまで、差別解消に向けた普及啓発や、企業など事業者における、障がい者への理解促進の取組の中心となる人材として、「心のバリアフリー推進員」の養成を進めてきました。
 今後、「心のバリアフリー推進員」の取組の強化に向けて、企業が社内研修を行う際に、県から障がい当事者の講師を派遣するなど、フォローアップを進めていきます。
 また、条例の実効性を担保するために、差別を受けた場合の相談窓口の設置や、紛争の解決を図るための体制整備に向けた検討を進めていきます。
 県は、今後も、障がい者差別の解消に全力で取り組み、誰もがその人らしく暮らすことのできる地域共生社会の実現を目指してまいります。

再質問

 神奈川当事者目線の障害福祉推進条例案では、差別解消について、しっかりと認識して規定していると理解しています。今後の取組に大いに期待していますが、せっかく当事者目線に重きを置いたこの条例を、当事者、障害者の皆様にしっかりと読んでいただく、理解していただくことが重要だと考えます。
 そこで、障がい者への条例の周知について、どのように取り組んでいこうと考えているのか伺います。

再質問への知事答弁

 障がい当事者の皆様からは、「そもそも、条例の条文自体、難しくてわからない」といったお話をいただいています。  そこで、障がい者はもとより、誰もがわかりやすく読むことができる、条例の「わかりやすい版」、これを障がい者主体で作成し、条例の公布と合わせて発信していきたいと考えています。
 「わかりやすい版」は、現在、多くの障がい者、当事者の皆様に御参加いただき、作成作業を進めているところです。イラストを入れるなどの工夫をしながら、進めています。
 また、条例そのものについては、点字版であるとか、音声読み上げ版なども作成して、視覚障がい者などへの周知を行ってまいりたいと考えております。

要望

 今後は条例の周知に終わらずに、様々な情報について、この「わかりやすい版」があったらいいのにと思いながら話を伺っていました。
 「分かりやすい版」を提供するのではなく、当事者の方々に作成していただく、これは、全国でも多分初めてではないかと思う。こういった取組を、例えば、これまでも外国籍県民等を想定した分かりやすい日本語での広報に取り組んできたことは周知しているが、担当の部局それぞれの情報だけではなく、この「障がい者分かりやすい版」、「当事者目線の分かりやすい版」というのを一つの基本、形として、当事者の方々が作り出す、あるいは、精査をする、分かりやすい広報の取組が全庁的なものになるように希望いたします。