公明党神奈川県議団

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困難な状況に置かれている女性への支援について
(2)困難な状況に置かれた妊婦への支援について

西村 くにこ議員(川崎市川崎区)

西村議員質問

 予期せぬ妊娠や貧困などで出産前から支援を行うことが特に必要と認められる妊婦、所謂「特定妊婦」は、主に妊娠健康診断など、行政主体の活動の中で把握されるが、妊婦の中には、様々な葛藤を抱え、妊娠健康診断などを受けないまま行政の支援が届かない困難な状況に置かれた「特定妊婦にも特定されない妊婦」が存在する。
 他の地方公共団体の中には、妊娠期から自立まで切れ目のない支援を行う支援施設の開所準備や飛込出産等の実態調査を実施している団体もある。
 効果的な支援を行うためには、先進事例も参考にしながら、まずは、本県の困難な状況に置かれた妊婦の実態を把握する必要がある。

 そこで、今後、困難な状況に置かれた妊婦に対する支援について、どのように考えているのか、所見を伺いたい。

知事答弁

 すべての妊婦が、妊娠期から必要な支援につながり、安心して出産を迎えることができることが重要です。支援が必要な妊婦、いわゆる特定妊婦については、市町村が支援プランを作成したうえで、様々な相談窓口につなげています。
 加えて、県では、そうした妊婦を早期に把握できるよう、市町村と産科医療機関が、情報を共有する体制づくりに取り組んでいます。
 こうした取組により把握した特定妊婦については、市町村の要保護児童対策地域協議会につないで、母子保健や児童福祉の関係機関と連携して対応しています。
 また、予期せぬ妊娠などの悩みを抱える方のための相談窓口として、「妊娠SOSかながわ」を設置しています。この窓口では、悩みや不安を聴き取り、助言を行うとともに、必要な場合には、医療機関などに同行する仕組みを作っています。
 しかしながら、妊娠したことを周囲に相談できず、支援につながらない困難な状況に置かれた妊婦が少なからず存在し、その実態も把握しきれていません。こうした妊婦は孤立しているため、一人で出産した直後に、子どもを死亡させるなど、痛ましい事案につながることが懸念されます。
 そこで県では、こうした困難な状況に置かれた妊婦を支援するため、県の本庁、保健福祉事務所、児童相談所、そして、市町村などの職員で構成する、実態把握の調査チームを速やかに立ち上げます。この調査チームでは、妊婦健診の未受診や飛込みによる出産など、支援につながっていなかった事案の調査に着手し、実態把握に努めます。
 さらに、悩みを抱える妊婦に「妊娠SOSかながわ」の情報が届くことが重要であり、その周知の強化を図っていきます。
 こうした取組を進め、誰一人取り残すことなく、妊婦が安心して出産でき、子どものいのちが守れるよう、しっかりと取り組んでまいります。

要望

 県内の児童保護施設の理事長にお話を伺いましたが、その施設で育った女の子が18歳で退所して妊娠をして、子どもを産んで、その子どもがまた同じ施設で育っているという事例を伺いました。
 そうなるとやはり多角的な方向からの支援、応援が必要なのではないでしょうか。母になる子どもと産まれてきた子ども、その双方に寄り添う支援体制が求められていると実感しました。家庭環境や経済的な理由から居場所のない妊婦のシェルターのような施設が存在して、最もデリケートな産前産後を通じて母子の未来を安心してゆっくり考えられるような仕組みが本県にも構築されるよう強く要望します。