公明党神奈川県議団

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県営住宅における軽度知的障害の方への承継について

おのでら 慎一郎議員(横浜市旭区)

おのでら議員質問

 県営住宅では、入居名義人が亡くなったり、退去したりした場合、一定の要件を満たす同居人が地位を引き継ぐことができる「承継」という制度があるが、ある入居者の方から、「知的障害のある息子が県営住宅に住み続けることができるのか」といった相談があった。
 その息子さんは、軽度の知的障害があるが、現在の県営住宅の運用では、軽度の知的障害は、自立した生活が可能であると考えられており、承継は認めておらず、1年程度の猶予期間のうちに、他の県営住宅に応募するよう指導される。たしかに、軽度の知的障害はあっても、自立した生活が送れる方もいるが、多くの場合、周囲の助けが必要であり、特に居住の安定を図る必要がある方々に該当するのではないか。

 そこで、軽度の知的障害の方については、特に居住の安定を図る必要があると認められるとの観点から、県営住宅の承継を認めるべきだと考えるが、所見を伺いたい。

知事答弁

 県営住宅は、低廉な家賃で住宅を提供しており、高齢者や障がい者も含め、住宅にお困りの方に対するセーフティーネットとして、重要な役割を果たしています。
 県営住宅への入居は、公募が原則ですが、例外として、入居名義人がお亡くなりになった場合には、配偶者などの同居人が、引き続き住み続けることができる、承継、という制度があります。
 この制度については、国の通知により、入居機会の公平性の観点から、特に居住の安定を図る必要がある方に限るよう、求められています。
 そのため、県では、これまで、知的障がいの方については、障がいの程度が重度や中度の場合には、承継を認める一方、軽度の方には、自立生活が可能であるとして承継を認めておらず、他の住宅への転居をお願いしてきました。
 そうした中、県は、今定例会に、「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例案」を提案しました。この条例は、障がい者が、自らの望む暮らしを実現することができ、誰もが喜びを実感できる、地域共生社会の実現を目指すものです。
 県営住宅においても、公平性を担保しつつ、障がい当事者の目線で、望まれる暮らしをどのように実現していくか、考えていく必要があります。
 そこで、軽度の知的障がいの方についても、生活環境の変化に敏感で、他の住居への転居後に苦労されている方もおられることから、継続して同じ部屋に住み続けることができるよう、承継制度の運用を改めます。
 こうした取組により、県営住宅が、今後一層、住宅のセーフティーネットとしての役割を果たしていくとともに、当事者目線の障がい福祉を推進して、「ともに生きる社会かながわ憲章」の実現を、目指してまいります。

再質問

 知事からは、軽度の知的障害の方についても、承継制度の対象とするとの答弁をいただいた。ご理解いただき感謝します。今回、せっかく障がい者目線に立って運用を改善するのであるから、必要な方にこの情報が確実に届くようにしてもらいたい。
 ついては、この承継制度の変更をどのように周知していくのか、所見を伺う。

再質問に対する知事答弁

 これまで県では、入居の際に、承継の制度を御案内するとともに、入居名義人がお亡くなりになった際にも、改めて、説明するなど、きめ細かな対応を行ってきました。
 このたび、承継制度の対象を、軽度の知的障がいの方にも拡大しますので、こうした方がお住まいのご家庭に、まずは、ダイレクトメールをお送りし、御案内するとともに、要請があれば、個別に訪問して、説明を行います。
 また、県のホームページにも、この制度をわかりやすく説明した内容を掲載し、広く周知を図っていきます。

要望

 ホームページに加え、入居者の方に文書でお伝えいただけるということでありがとうございます。
 この承継制度、どのような場合に承継ができるのか、あるいはできないのか、「入居の承継の承認に関する要綱」というのがあるが、そこにはわかりやすい記載がありませんでした。
 こうした県民生活に身近な情報については、今回に限らず、県民がアクセスしやすい状況を作っていただくようお願いしたいと思います。