公明党神奈川県議団
ケアリーバーの自立支援について
亀井 たかつぐ議員(横須賀市)
亀井議員質問
児童養護施設などで育ち、高校卒業後に18歳で自立しなければならない社会的養護の経験者、いわゆるケアリーバーが安心して自立していくためには、困った時に気軽に相談できる場所や、急場しのぎに身を寄せられる居場所、親身に相談にのってもらえる環境が重要である。
県では、ケアリーバーの支援拠点である「あすなろサポートステーション」を辻堂に設置し、生活や就労をはじめ様々な支援に取り組んでいるが、辻堂の一か所だけでは十分な支援は届かないのではないか。そのため、令和5年度当初予算案に、県央地域にサテライト新設のための予算が計上され、支援拠点の強化が示されているが、ケアリーバーの自立を支えるためには、更なる支援の充実が必要である。
そこで、今後どのようにケアリーバーの自立支援に取り組んでいくのか、所見を伺いたい。
知事答弁
児童養護施設等から自立を余儀なくされた若者、いわゆるケアリーバーは、頼れる大人が身近にいないケースが多く、継続的に支援していくことが重要です。
県では、ケアリーバーの支援拠点として、「あすなろサポートステーション」を藤沢市内に設置し、生活・就労の援助のほか、法律相談や医療機関への同行など、一人ひとりの状況に応じた支援を行っています。
しかし、コロナ禍の影響で、ケアリーバーの生活は一段と厳しくなっており、令和3年度の相談件数は平成30年度と比較して、約4割増えています。
また、相談内容も、突然住まいや職を失い、今日寝るところにも困るなど、切迫した事案が増えており、こうした事案は、きめ細かいアウトリーチ支援が求められるため、藤沢1か所では県内をカバーすることが困難になっています。
そこで、県では、令和5年度当初予算案に、新たに県央地域に、「あすなろサポートステーション」のサテライトを設置する費用を計上しています。
このサテライトには、相談員を2名配置し、ケアリーバーの様々な相談に対応するとともに、併せて緊急時の一時的な住まいも提供して、生活の速やかな立て直しを図っていきます。
さらに、この一時的な住まいを活用して、新たに「一人暮らしトライアル事業」を立ち上げ、児童養護施設に入所中の児童を対象に、一人暮らしをイメージできる宿泊体験を行い、自立に向けた不安の軽減を図ります。
なお、このサテライトは、交通の利便性がよく、かつ落ち着いて相談できる場所へ速やかに設置したいと考えており、現在、準備を進めているところです。
県は、「あすなろサポートステーション」の充実強化により、ケアリーバーに寄り添い、しっかりと支援してまいります。