公明党神奈川県議団

ホーム所属議員 重点政策 活動リポート ニュース 本会議 常任委員会 特別委員会 ご意見・ご要望

一時保護所の子どもへの支援について

小野寺 慎一郎議員(横浜市旭区)

小野寺議員質問

 一時保護所の入所期間は原則2カ月を超えないこととされているが、実際には入所が長期にわたる子どもも少なくなく、中には1年を超えて入所する子どももいる。一時保護期間が長期化する要因としては、措置先となる地域の児童養護施設などに空きがないなど、やむを得ない事情があるが、一時保護の期間が長期化すれば、子どもが不安定な状態になってしまう恐れもあり、寄り添った支援が必要だと考える。

 そこで、県の一時保護所において、長期間にわたり不安を抱えている子どもたちの現状をどのように認識し、それに対してどのように支援していくのか、所見を伺う。


知事答弁

 児童相談所が行う一時保護の期間は、原則2か月以内と法で規定されていますが、令和3年度に県所管の一時保護所に保護された子どもの約15%が、2か月を超える状況にあります。
 一時保護が長期化する理由は、時間をかけて親子関係の修復を図っている、あるいは、児童養護施設等の受入体制が整うのを待っているなど、様々です。
 一時保護所で生活する子どもの8割以上が、親からの虐待を理由に入所しており、虐待の影響から、心のケアを必要とする子どもが多くなっています。
 また、一時保護所での生活は、虐待した親との接触を避けるため、自由に外出することが難しいなど制約も多く、加えて毎日のように、子どもの入所・退所があるためメンバーが固定されず、子どもにとって落ち着かない生活環境になりがちです。
 こうした特殊な環境下で生活する中で、とりわけ保護が長期化している子どもたちは、心身へのストレスが高まっているのが現状です。
 そこで、県では、児童心理司が子ども一人ひとりに、定期的なカウンセリングを実施し、心に負った傷の回復に努めています。
 また、本人が希望し、かつ安全面で問題がなければ、遠足や運動会など学校行事へ参加したり、通学できるように配慮するなど、ストレスの軽減を図っています。
 さらに、来年4月施行の改正児童福祉法では、一時保護所や児童養護施設等に入所している子どもの意見表明を支援することが求められています。
 そこで、今後は、弁護士などと連携しながら、子どもの抱える悩みなどを丁寧に聞き取り、より一層きめ細かな支援に生かしていくことを検討していきます。
 県は、一時保護所で生活する子ども一人ひとりの目線に立ち、寄り添って支援していくことで、子どもたちの不安やストレスの軽減につなげてまいります。

再質問

 一時保護所に入所している子どもたちの支援については、一定理解をいたしました。
 けれども、一方で、一時保護所というのは、子どもの安全上への観点から外の人間が入りにくい、質問のなかでも触れましたけれども、そのために厳し過ぎる管理によって、子どもの人権が抑圧されていたり、あるいは、定員超過や職員不足によって適切な見守りや支援ができなかったりという問題も、全国各地で起きています。
 自治体によっては、第三者に客観的な評価を求めることによって、随時、環境改善を図っているところもありますけれども、本県としてもそうした取組が、わたくしは必要であると考えておりますが、その点、知事の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

再質問への知事答弁

 現在、県は、一時保護所について、弁護士や学識者などによる評価を試行的に実施しています。
 今後は、他の自治体の取組も参考にしながら、一時保護所の第三者評価の本格実施について検討してまいります。

要望

 第三者の目を入れていくということ、わたしは大変重要だと思っております。知事がおっしゃるように、子どもの目線で現場をとらえて、少しでも良好な保護環境を作っていただくようにお願いをしたいと思います。