公明党神奈川県議団
知的障がい者の医療問題について
佐々木 正行議員(相模原市中央区)
佐々木議員質問
知的障がいの現場では、施設入所者が救急対応を必要とする際、入院先が決まらず、医療を受けられずにいるとの話を伺った。
病院側では、行動障害がある場合、暴れられると治療ができないなどという理由から入院に消極的にならざるを得ない現状があると思われるが、現場実態が正確に把握できていないことから、先ずは、病院にヒアリングをするなどして実態を把握する必要がある。
「当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」を制定した神奈川県だからこそ、知的障がい者が適切に医療を受けられるよう、検討を開始するという強い姿勢を示す必要がある。
そこで、当事者目線の障がい福祉の実現に向けて、知的障がい者の医療問題にどのように取り組むのか、所見を伺う。
知事答弁
障害者支援施設に入所する知的障がい者が、健康でいきいきと暮らすには、日頃の体調管理や医療的対応が必要です。
そのためには、支援員が本人の状態を適切に把握し、医師など医療関係者と的確に連携することが重要です。
施設では、体調不良を訴えられない入所者も多く、支援員や看護師は、体温、血圧、食事、睡眠状況などを確認しながら日頃の健康管理を行っています。
また、あらかじめ、協力医療機関を定め、病状の急変等に備えており、治療や手術が必要な時は、地域の医療機関を利用しています。
しかし、改革を進めている中井やまゆり園では、民間の支援改善アドバイザーから「日頃の体調変化を見逃している」、「行動障がいのある利用者の治療は難しいとの意識で、受診が遅れている」といった問題が指摘されています。
また、県内の施設に行ったアンケート調査では、医療機関での診察の際に、利用者が動き回ってしまった、病院側で知的障がい者の支援のノウハウがないため、入院の調整に苦慮した、などの回答がありました。
そこで、まずは、知的障がい者への医療に詳しい医師などが、中井やまゆり園利用者の状況などを視察し、助言をいただく予定です。
その結果を踏まえ、知的障がい者の医療問題について医療、福祉両面から対策を検討するための会議を設置していきます。
県は、当事者目線の障がい福祉の実現に向けて、知的障がい者が、安心して適切な医療が受けられるための環境整備にしっかりと取り組んでまいります。