公明党神奈川県議団

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心不全パンデミックを防ぐ取組について

佐々木 正行議員(相模原市中央区)

佐々木議員質問

 今後、心不全患者が増え続け、患者が入院できない状況に陥ることを、報道では「心不全パンデミック」という言葉で表されている。
 医療機関間の連携を進めるため、患者の情報等を共有する「心不全地域連携パス」の導入、再発を防ぐための心臓リハビリテーションを実施する医療機関の増加、突然死を防ぐため、特定健康診査のデータを活用した医療機関への受診勧奨に一層取り組んでいただくよう、県から市町村への働きかけが必要である。
 県においては、今年度改定予定の「神奈川県循環器病対策推進計画」に、こうした課題に対応するための施策を盛り込む必要がある。

 そこで、高齢化等に伴う心疾患患者の増加を踏まえ、「心不全パンデミック」とも言われる状況に陥らないようにするため、県としてどのように取り組んでいくのか、所見を伺う。


知事答弁

 本県では、心不全などの循環器病が原因で、年間約2万人の方が亡くなっており、今後、高齢化の進展により、さらなる患者の増加が懸念されます。
 県では令和4年3月に「神奈川県循環器病対策推進計画」を策定し、心不全に対応する医療提供体制の整備や、講演会などによる県民への普及啓発に取り組んできました。
 一方で、今後予測される患者の更なる増加に対応するためには、急性期・回復期・慢性期といった、段階ごとに医療機関が連携し、患者の円滑な転院などを進めることが重要です。
 そこで県では、今年度「脳卒中・心臓病等総合支援センター」が設置された東海大学付属病院の協力を得て、検査や外来、ご提案の地域連携パスも含めた医療の連携体制について検討を進めます。
 また、心不全は再発する方が多いため、食事や運動を管理しながら再発を防ぐ心臓リハビリテーションを実施できる拠点を増やすことが必要です。
 そこで、こうした心臓リハビリテーションの設備を整備する医療機関に対し、県の医療介護総合確保基金を活用し、今年度から新たに補助を行います。
 さらに、県民の皆様には、心不全について一層理解をいただき、リスクのある方には早い段階から医療機関を受診いただく必要があります。
 そこで、心不全の予兆や治療法などについて、新たにリーフレットを作成するほか、ホームページなども活用し、幅広く周知を図っていきます。
 また、市町村に対し、特定健康診査のデータを活用して、ハイリスクな方に受診を促す取組をさらに進めていただくよう、働きかけていきます。
 こうしたことにより、心不全パンデミックと言われるような状況を防ぐよう、しっかりと取り組んでまいります。

再質問

 心不全は、いったん病状が落ち着いても、その後のケアとか心臓のリハビリをしっかり実施しないと、改善と悪化を繰り返してしまうという、そういう死に至る恐ろしい病気なんですね。
 専門が循環器のお医者さんにお聞きいたしますと、急性心不全の回復後に、このNTプロBNPという検査を定期的にしっかり行っていくことによって、その再発が防げるというふうに言われておりました。この検査を、しっかり関係する対象者にはしていくべきだと思いますけども、知事のご所見を伺います。

再質問への知事答弁

 このNTプロBNP検査は、血液中の成分から、心不全のリスクや心臓の状態を把握するものであり、関係学会も推奨していることから、急性心不全の回復後において、検査を定期的に行うことは有効であると考えています。
 この検査の一層の普及に向けては、県内医療機関や専門家の意見も聞きながら、検討をしてまいりたいと思っています。