公明党神奈川県議団

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栽培漁業の推進について

西村 くにこ議員(川崎市川崎区)

西村議員質問

 気候変動が海洋環境を変化させ、魚の分布海域に影響を与えています。
 本県でも、近年、相模湾で磯焼けが拡大し、アワビの漁獲量が激減する等の現象が発生しており、今後は一層栽培漁業の重要度が増すと考えられます。しかし、漁業関係者からは、種苗を生産している施設が老朽化しており、安定生産に支障が出てしまうことを心配しているとも伺いました。
 将来にわたり、県民に水産物を安定的に供給していくには、海洋環境の変化に対応した栽培漁業に取り組む必要があり、そのためには、新しい魚種の生産技術の開発と、それを支える施設の整備も重要と考えます。

 そこで、今後、栽培漁業をどのように推進していくのか、所見を伺う。


知事答弁

 次に、栽培漁業の推進についてお尋ねがありました。
 近年の海洋環境の変化に伴い、本県の沿岸では、キハダやタチウオ、サワラ等の漁獲量が増える一方で、サバやカタクチイワシが減少するなど、魚の種類が大きく変わってきています。
 県ではこうした状況に対応し、効果的かつ安定的に栽培漁業を進めるため、令和4年3月に「神奈川県栽培漁業基本計画」を改訂し、対象とする魚種を見直しました。
 具体的には、これまでのクロダイやマコガレイから、トラフグやハマグリなど、現在の海洋環境に合った魚種に重点を移して、種苗の生産・放流技術の開発を行っています。
 今後は、新しく栽培を始めたトラフグ等のさらなる技術開発を進めるとともに、海洋環境の変化に合わせた魚種の切替に、柔軟に対応できる栽培施設の整備にも取り組んでいく必要があります。
 そこで、トラフグについては、相模湾で親魚を確保し、その卵を採取して、稚魚を育てることにより、安定的な生産を可能とするとともに、公益財団法人神奈川県栽培漁業協会と連携して、早期に量産体制を構築していきます。
 また、今年度から開発に着手しているハマグリについては、本県初の二枚貝養殖であることから、餌となるプランクトンの培養技術の開発や、生態に合った飼育環境などを確立していきます。 
 さらに、様々な魚種を栽培できる汎用性の高い種苗生産施設を整備していきたいと考えています。
 県はこうした取組により、海洋環境の変化に対応できる栽培漁業を推進し、県民の皆様に水産物を安定的に供給してまいります。