公明党神奈川県議団

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公明党神奈川県議団 ニュース

令和2年 第2回定例会 (6月) 【代表質問から】

■県債の活用で、柔軟な財政運営を!

 今年度の県税収入は新型コロナウイルス感染症の影響により大幅な減収になることは避けられません。こうした事態を受け、県はさまざまな方法で財源を確保するとともに、国に対し、地方交付税を増額することや、地方消費税の減収について、減収補填債が発行できるよう働きかけているとの答弁がありました。
 しかし、減収補填債が全国的に大量発行されると金利上昇を招きかねないことから、発行に際しては時期を分散して平準化を図る必要があります。県民の生活を守り、県内経済を力強く回復させるために、財政運営にあたっては県債を適宜積極的に活用することを求めました。

■県庁にデジタルトランスフォーメーションを!

 ビルド・バック・ベター、コロナ以前より良い社会を築いていく。そのために不可欠なのが、さまざまなソースから得た情報と最先端のデジタル技術を活用して革新的な社会モデルを生み出すデジタルトランスフォーメーション(DX)です。
 DXの推進には、県の業務を部局の垣根を越えてシームレスに連携させるために、ICT技術だけでなく県全体の課題に精通したリーダーが必要です。本県ではCIO(情報統括責任者)とCDO(データ統括責任者)を二人の副知事が担うという重厚な体制になっておりますが、今後はより実戦的な人員配置を検討するよう要望しました。

■テレワークがあたりまえの社会をつくる。

 県庁におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進には、デジタルの強みを生かし新たな価値を創造する働き方としてのテレワークが不可欠です。職員の負担を軽減し、持続可能なテレワークを実現するためには、まだいくつかの課題があることが分かりました。
 業務を委託している企業など、ネットワーク環境が異なる外部との打合せや、セキュリティ上の制約がかかっている業務システムをモバイル環境で利用することなどに支障が出ないよう、技術的な課題を解決する必要があります。さらには、休暇を楽しみながら働く「ワーケーション」などについても、県庁が率先して取り組むよう要望しました。

■コロナ禍の今こそ、SDGsの理想に還る。

 国連のグテーレス事務総長は、新型コロナの影響により貧困が拡大していることから、SDGsの目標達成は一層困難になっているという認識を示し、各国に国連との連携を呼びかけました。県では国連開発計画(UNDP)と連携し、来年3月に「SDGsアクションフェスティバル」を開催する予定です。
 民間では、データを駆使して社会的課題を解決するデジタルトランスフォーメーション(DX)によりSDGsを推進する取組みが始まっています。神奈川県として本フェスティバルをDXによる新たな社会経済モデルの構築を加速させる好機とするよう促します。また、今後、県の総合計画である「かながわグランドデザイン」も見直さざるを得ないと考えますが、その際は改めて、SDGsに基づいた検討を行うよう要望しました。

■ヘルスケア・ニューフロンティアを、どう役立たせるのか。

 本県では「かながわグランドデザイン」の重点戦略としてヘルスケア・ニューフロンティア政策を掲げ、未病産業の創出や最先端医療の実用化など、さまざまな取組みを進めてきました。その成果の一つ、新型コロナウイルスを迅速に検出できるスマートアンプ法については、その活用が待たれていましたが、ようやくアタッシュケース型の機器の供給が始まりました。この機器については県が購入費用を全額補助することから、1セット約200万円という価格の適正性についても十分な説明がなされるよう強く要望しました。
 また、現在、コロナ感染や生活上のさまざまな不安により、心と体の変調を訴える人が増えていることから、そうした健康不安に対し、これまで県が未病ブランドに認定した「ミモシス」などの商品・サービスや、整備を進めてきた未病センター等の拠点を一層の活用することを求めました。

■「神奈川モデル」を生かすためには、法改正が必要です。

 今回の新型コロナの感染拡大に対し適用された「新型インフルエンザ等対策特別措置法」においては、知事に県内全体の総合調整を行う権限が集約されていますが、保健所設置市に県と同等の権限を認める感染症法との整合について課題があることが明白となりました。
 また、国は感染者情報を県が集約できる仕組みを構築しましたが、システム的に問題が多く、機能していないとのことです。今後予想される第2波の襲来に備え、県が広域的な感染症対策を迅速に行えるようにするため、必要な法改正を国に強く求めていくことを要望しました。

■部局横断で貧困の拡大を食い止めよ!

 新型コロナの影響による貧困の拡大をくい止め、県民のいのちと暮らしを守るために、部局を横断する組織づくりを提案しました。知事からは、「(仮称)県民生活支援庁内連絡会議」を設置し、福祉、医療、雇用、住まいなどの関係部局の連携を図るとの答弁がありましたが、当事者がどの窓口から入っても適切なセーフティネットが働くようにワンストップ、オンラインによる支援を求めました。
 その際は、サービスへのアクセスだけをオンライン化しても、後に続く処理業務がデジタル化されていないと、特別定額給付金の事務を例にとるまでもなく、職員の負担は重くなってしまいます。多くの部局がスムーズに連携するために、アジャイル型開発手法による支援システムの構築を検討するよう提案しました。

■文化芸術の担い手が「離職」してしまわぬように。

 新型コロナ禍の影響で、県内各地で展開されるはずだった文化芸術関連のイベントなどが、軒並み中止または延期を余儀なくされました。アーティストやその周辺で働く人々は収入の道を断たれ、準備にかけてきたコストも重くのしかかっています。
 県は、動画による文化芸術発信の場を提供し、優秀作品に賞金を出すとのことですが、総額100万円というのは本県の規模に比していかがなものでしょうか。また、「新しい生活様式」のもとで入場人数に制限をかけざるを得ないことから採算が取れないケースも出てきます。知事は、感染防止対策を図りつつ実施するイベント等に対し補助制度をつくる旨の答弁をいたしましたので、今後の具体策を注意深くチェックしていきます。

【一般質問・常任委員会から】

■新型コロナ「検査の神奈川モデル」発進!

 新型コロナウイルス感染症の検査を拡充するために、医療機関において新しい検査方法も活用し実施していくことを提案。県からは、「今後、PCR検査に加え、抗原検査などの新しい技術や手法も積極的に取り入れ、検査体制の充実を図り、新型コロナウイルス感染症の第2波に的確に対応する」との答弁を得ました。
 7月3日の臨時記者会見で、県が開発を進めていた最新のPCR機器も活用し、保健所中心の検査体制から、医療機関中心の検査体制への移行を目指す「検査の神奈川モデル」の構想が発表されました。 医療機関での検査体制を構築することは、早期発見・早期治療で患者の重症化を防ぐだけでなく、医療機関のクラスター発生を防ぐことにもつながります。

■性犯罪・性暴力の証拠採種は被害者に配慮を!

 性犯罪等の被害者は、心身に大きなダメージを受けた性犯罪等の被害者は警察に届け出ることをためらう傾向にあるため、被害者支援の初期段階において証拠を採取・保管しておき、被害者の方が落ち着いてから被害届の提出を考えられるよう、被害者の心情に配慮した制度を構築する必要があります。
 公明党の提案を受け、本年3月に、証拠採取等を含めた被害者のワンストップ支援に意欲のある医療機関の募集を行い、複数の医療機関から検討に前向きな回答をいただいていましたが、具体的な調整に入ろうとしていた矢先に、新型コロナウイルス感染症の問題が発生してしまいました。
 今後、状況を見極めながら、かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」における証拠採取等の実現が図られることになっています。

■外出自粛で依存症が増えている現実。

 新型コロナ感染症拡大防止に伴う外出自粛等により、アルコール摂取量や、ゲーム・インターネットの利用時間が増え、習慣化することによる依存症の増加が認められています。県はその対策として、動画を活用した広報や、自身の依存度を確認できるチェックシートによる気づきの機会の提供など、より多くの方が依存症を理解できるよう、普及啓発を進めると答弁しました。
 今後、民間支援団体の活動状況を調査し、医療機関や相談機関など関係機関との連携のあり方や必要な支援について検討を進め、依存症対策の体制整備が進められます。

■「新しい生活様式」を認知症施策にも。

 新型コロナで外出の機会が減ることにより認知症が進行する、また認知症の方のご家族の負担が増えるなどの事案が発生しているため、「新しい生活様式」に対応した認知症対策の推進が必要ではないかと質問しました。
 これに対し知事は、国が示した認知症サポーター養成講座のオンライン化の仕組みを活用し、認知症サポーターの養成に取り組むとともに、認知症の方やご家族が、タブレット端末等を活用して、認知症カフェに自宅から参加できる仕組みを検討すると答弁しました。

■就職氷河期世代がますます困窮している。

 神奈川労働局、政令市、経済団体等とともに構築するプラットフォームを通じて、就職氷河期世代の方を積極的に採用するよう民間企業に働きかけること。さらに、県独自の取組として、就職氷河期世代の方を採用するメリットを企業に周知し、求人意欲を喚起すること。そして、その上で合同就職面接会を実施し、企業とのマッチングを行うための補正予算が今回計上されました。就職氷河期世代の就労を促進し、この世代が将来への希望を持ちながら、社会で活躍できるよう、しっかりと支援していきます。

■犯罪被害者が受ける「二次被害」を規定。

 神奈川県犯罪被害者等支援条例の一部が改正されました。犯罪被害者等が、犯罪による直接的な被害のみならず、その後の配慮に欠ける対応や誹謗中傷によって受ける、いわゆる二次被害について、その定義が規定され、それを防止する姿勢の明確化とともに相談体制の充実が図られることになります。
 条例改正の趣旨を県民が正しく理解し共有するための広報はもちろんのこと、行政や司法、あるいは被害者支援団体の関係者が二次被害の「加害者」となることも少なくないことから、そうした関係機関等に対する研修などの重要性を指摘しました。

■盗撮やつきまとい行為にNO!

 神奈川県迷惑行為防止条例の一部が改正されました。本条例第3条でいう「公共の場所」や「公共の乗物」の定義が、狭義の「公共」であり、現実と乖離していたことから、盗撮行為等はどこで行っても犯罪であると規定する今回の改正は、当然のこととして賛成いたしました。
 第11条関係は、法律における「つきまとい」行為等の変更に合わせた改正となりますが、「つきまとい」に自宅周辺をうろつく等の行為を含めたことについても、実際の事例に対応したものと理解しています。いずれもそうした行為を未然に防止するため、改正内容の周知を十分に図る必要があります。

■水防災戦略には災害情報の受伝達体制が重要です。

 このところ、九州地方をはじめ、全国各地で線状降水帯が発生し、甚大な被害が出ています。大規模な風水害が発生する恐れがあるとき、県と市町村の間で情報が錯綜し、対応に遅れが出るような事態は避けなければなりません。そのためには、防災行政通信網や災害情報管理システム、市町村連絡員による情報受伝達体制の確保が課題となります。市町村の意見も踏まえた機能強化が必要です。
 一方、防災においてもデジタルトランスフォーメーション(DX)の視点は重要であり、防災に関する全てのデータやシステムがデジタル技術を駆使してつながっていくことが求められます。それによって、例えば、カーナビが土砂災害警戒情報の出ている地域を避けて経路を案内できるようにもなります。くらし安全防災局と県土整備局、ICT推進部などがしっかり連携し、防災分野でのスマート県庁を実現していくよう要望しました。

■運転免許取得に月日がかかり過ぎている。

 運転免許技能試験の試験日間隔の短縮について言及しました。運転免許センターにおいて技能試験を受験する人は、令和元年中、約1万5600人に上りました。普通一種免許の場合、仮免許を合わせると合格までに要した試験回数は平均5.3回です。試験と試験の間隔はすべての免許種目を平均すると4.0日とのことですが、学生の春休みや新生活の準備期間にあたる3月は受験者が集中するため、2週間前後の間隔になってしまいます。
 さらに今年の5月以降は新型コロナの影響で3週間から4週間開いてしまうということが普通になっており、とても予定していた期間内に免許が取れる状況ではありません。県警察では今後、技能試験官の育成やキャンセル待ちのシステムを改善することにより試験日間隔の短縮を図るとしていますが、一日も早く正常な状態を取り戻すよう一層の努力を求めました。


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